老後破産にならないために、誰もが知っておくべきこと

 

医療費について

支出のうち、最大の懸案が医療費です。健康にはもちろん気をつけるんですが、それでもトシを取れば誰しも若いときと同じような健康体ではいられません。しかも医療費の場合、数年数ヶ月の平均を取ってもムイミなわけです。だって今よりも老いたときのハナシなんだから。しかも病気やケガの種類によっては、予想できないほどあるいは予想しても準備しきれないほどの高額になるかもしれないんですから。

結論から言って、老いて体の機能が衰えていくことを金銭で担保しておこうと思ったら、いくら積んでも足りないでしょう。だっていくつまで生きるのかもどんな病気にかかるのかもどんな治療法があるのかもわからないんだから。いくらあってもトシを取るまでに死んでしまうヒトだっているわけですしね。

ここは慎重に書きたいのでまた回を改めたいんですが、おそらく体の老いを金銭で担保するのはムリだと思っています。体はお金では買えないってことです。

……実は体が社会生活に適さない時期は、人生で2回あります。幼少期と老年期です。あなたにも誰にもちっちゃいときって、ありましたよね。このときどうしているのかといえば、親に面倒を見てもらったんですよね。お金を稼いでご飯を作ってくれて、学校に行かせてくれて。そう、他者が面倒を見ているんです。体が小さすぎて社会生活が営めないとき、ヒトは自分1人で生きることができないので、自分以外の他者に面倒を見てもらうんです。

当たり前ですが、この幼年期においても面倒を見る側親側には相当の負担がかかります。子供が複数いればなおのことですし、オトナが2人がかり3人がかりになることも、珍しくないでしょう。ヒトひとりをケアするのには、相当の労力がかかるのです。

論理必然として、老年期には他者を頼らざるを得ないということです。かつてはこれが血縁者だったわけです。まあ、グループの成り立ちとして自然発生的で、親近感もありますからね。

この意味で、お金だけでは解決できない体の衰えを老いと定義しそれが社会的な問題に発展しているとすれば、それはヒトを支えるヒトのグループが小さくなりすぎているということです。つまり、核家族というミニマムすぎるグループが社会のスタンダードになったため、老後破産がモンダイになっているとも言えるわけです。

そうは言っても、これが家族がミニマム化した現代では、だから結婚して親族を作れ! とかいうランボーなハナシにはなりません。ヘンなおっさん議員が言いそうですが(笑)。

おそらく今後は、血縁以外のヒトのグループを作り出す試みがなされると思います。自然発生的な血縁でももちろんOKですが、それほど濃厚ではなくユルいつながりで生活のごく一部を少しずつ誰かと共有しあうような関係です。

そして、この場合重要になるスキルは「他者とのコミュニケーション能力」でしょう。アカの他人ならもちろん血縁者とでも、ヒトとヒトが付き合う以上は必ずここが問題になるはずです。

ハヤリの老後破産。

お金のモンダイは、一度自分の生活を振り返って計算し直してみましょう。そして、他者と上手くやっていく能力を身につけておくべきだと思っています。

image by: Shutterstock

 

システマティックな「ま、いっか」家事術
食べるのは大好きだけど、作るのは超苦手。棚拭きとアイロンがけが何より嫌い。そんな家事オンチだった私がソレナリに家事をこなせるようになったワケ。家事全体を見渡して、最小の手間で最大のリターンを得る、具体的なシステムをお知らせするメールマガジンです。
<<登録はこちら>>

print
いま読まれてます

  • 老後破産にならないために、誰もが知っておくべきこと
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け