【箱根】火山が噴火したら政府は国民をどう守る? 改正活火山法を読む

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活発な火山活動が続き、噴火警戒レベルが2に引き上げられた箱根大涌谷周辺。噴火も心配されている状況ですが、日本中に数多ある火山に関する法律が改正されるのをご存知でしょうか。現役弁護士が配信している『知らなきゃ損する面白法律講座』では今国会に提出される改正案について、詳しく解説しています。

箱根はどうなる? 火山にまつわる法律の改正

気象庁は5月6日、箱根山の大涌谷周辺で、小規模な水蒸気噴火が発生するおそれがあるとして噴火警報を発表し、噴火警戒レベルを1(平常)から2(火口周辺規制)に引き上げました。箱根町は同日、大涌谷から半径300メートルに避難指示を発表しました。既に立ち入りを規制しているハイキングコースに加え、大涌谷へ向かう県道も通行止めにし、ロープウエーも運転を見合わせ、バスもルートを変更するなどしています。

火山の噴火といえば、昨年9月の御嶽山噴火が記憶に新しいところです。御嶽山噴火では、死者は50人を超え、負傷者も70人近くという、戦後最悪の人的被害を出し、登山客が巻き込まれたものとしては明治以来最悪とのことです。その御嶽山の噴火を受けて、法律の改正案が2015年の4月に発表されましたので、その内容について見てみたいと思います。

火山の爆発やその他の火山現象によって著しい被害を受けたり、又は受けるおそれがあると認められる地域について、とるべき措置等を定める法律は、活動火山対策特別措置法(以下、「活火山法」)といいます。昭和48年に制定されました。

現在の活火山法では、火山の爆発により被害が生じる又は生じるおそれがある地域で、被害を防止するための施設を緊急に整備する必要がある地域を避難施設緊急整備地域として内閣総理大臣が指定できることになっており(法2条)、指定があった場合には都道府県知事は住民等の速やかな避難のための計画を作成しなければならないことになっています(法3条)。また、政府は出来る限り避難施設緊急整備計画に基づく事業のために必要な経費を予算に計上しなければならず(法6条)、国や地方公共団体は火山現象を研究・観測するための施設や組織を整備するよう努力しなければなりません(法19条)。降灰の除去事業についても定めがあります(法11条)。

今回の改正案では、国は噴火への備えが特に必要な地域を火山災害警戒地域に指定することができるようになるようです。警戒地域には、阿蘇山をはじめとした約50の火山が指定されることが予想されています。

また、周辺の観光・宿泊施設等に避難計画づくりを義務付けます。加えて、登山者に対して登山届を提出することの努力義務が新たに設けられました。

先の御嶽山噴火では、登山届の不備のために行方不明者の実数の把握が遅れ、それが被害の拡大の原因の1つであったといわれていることに照らして規定されたものと考えられます。

なお、改正案では登山届は努力義務となっていますが、県によっては条例で登山届を義務化しているところもあります。岐阜県では、登山届の提出は義務となっており(岐阜県北アルプス地区及び活火山地区における山岳遭難の防止に関する条例5条)、届出をしない又は虚偽の届出を出した場合は5万円の過料に処されることが定められています(同条例6条)。

登山をする前には、その県の条例にも注意を払う必要があります。

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