なぜ、もう一つの傾きマンションも全棟建て替えを決断したのか?

 

このいきさつは、詳しい現状を訴える方からのメールがありブログにも書きました。

もう1つの横浜・傾きマンションは今。住民から届いた悲痛な叫び

そうしたら、三井のマンションの総会決議の記事の翌日の新聞に、住友不動産の方のマンションでも全棟建替え提案があったとの記事が。その理由は、傾いた棟以外で基礎部分の鉄筋の切断が見つかったからということです。傾いていない棟だって安全とは言えないと頑張った管理組合の成果なのだと思います。

もちろん、もう1つの傾いたマンションでの三井側の対応と、後からの発覚にも関わらず合意形成に至った事実に住友不動産も決断せざるを得なかったという事情もあるでしょう。

とにかく2つのマンションとも一歩前進したということで、本当によかったと思いました。当事者の心労は計り知れないでしょうから。

まったく話は違いますが、何かと、建替え問題がニュースになります。福祉施設や公共施設を含めた再開発という枠組みなら、区分所有者の3分の2以上の賛成で建替えができるように緩和するという都市再生特別措置法改正案が閣議決定されたとニュースになり、また、高経年マンションで建替えしたい願望を刺激しています。

で、先日、かなり郊外で空室が増えていている築40年超の大型団地の方が、3分の2ならうちも建替えできるかもしれない、市に言って高齢者施設をひっぱってきて…長年役員やってきて、最後、建替えやってみたいんだよね…と、一度あきらめた建替えの夢をふくらませているのを聞いて複雑な気持ちに。

マンションの敷地の高度利用が地域全体の価値を生むような場所じゃないと、そもそもこの枠組みに入らないから、土地があまっている郊外では…なんて夢を壊すことはやんわりとしか言えないし…。

決議要件が下がるってことは、たくさんの反対者がいても理屈の上ではできてしまうということで、一部の人が現実的じゃない夢に突っ走ったら、内部の人間関係はどうなるのか…。

建替えに関しては、国の政策が発表になるたび管理組合が揺れて、本当に心配の種はつきません。

image by: Shutterstock.com

 

まんしょんオタクのマンションこぼれ話
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