オオカミは出てこないかな? ドイツ世界遺産・バート・ホンブルクの森を歩く

Eugen Shevchenko/Shutterstock
 

バス停を出発してから20分が過ぎたが、これからどれくらいの時間がかかるのか、どんな展望が得られるのかも見当が付かない。

落ち葉が一杯の道を1人歩いて行く。やがてまた針葉樹になり、その外れには野鳥観察の見物台であろうか、1平方メートルくらいの屋根付きの小さな建物があった。道に迷った時、こんなものが目印になる。よく観察し、写真にも収めた。

似たような風景の中を歩いている。もしかすると、同じ所をぐるぐる回っているかもしれないからである。

そこから10分ほど歩くとまた野鳥観察小屋があった。

観察用の小屋が所々にある

観察用の小屋が所々にある

今度のものは周りを囲い、焦げ茶色のペンキを塗った本格的なものである。周りは最近伐採した跡のようである。

3分ほど行くとまた野鳥観察小屋があった。先ほどのものを小さくした感じで18と番号が書かれていた。

同じ所は歩いていないようであるが、出発してから50分経った。風景は似ているがわずかずつ違う感じである。そろそろ現在地を知りたくなったが、手がかりがない。

太陽が出ていれば方角がわかるが、時々小雨が降る曇りの天候である。森から抜ける、できればこれから寄りたいザールブルク城砦に近い方角に行きたいのだが…。

ありました。

50mほど先に標識が。

近くに寄ってみると「リーメス遺跡 →」と書かれている。その方向に行くことにする。

進んでいくと、またまた標識がある。

やっと正式な表示があった

やっと正式な表示があった

3方向ともリーメス遺跡である。

そうだった。「600kmに及ぶ防砦」がありその一部が世界遺産になっているのだが、それとてすごく広範囲なのだろう。どの矢印に進んだらいいのか…。

標識の中の「H」のマークはバス停である。

ということは、2つの内のどちらかである。2つともザールブルクと書いてある。1つにはその前に「Bhf」と書かれているし、2.1kmもある。多分、0.5kmの右に行くといい。

歩いて行くと車道が見えてきた。この道で、いいかも…。

標識から歩くこと6分、ザールブルク城砦が見えてきた。よかった。

1時間余で一周して戻ることができた。そして、「世界遺産 ザールブルク城砦」に入る(入場料5ユーロ)。

ザールブルク城砦に入る

ザールブルク城砦に入る

数は少ないが車で来た観光客がいる。

紀元1世紀頃、ゲルマン民族の侵攻を防ぐためにローマ皇帝が築いた600kmに及ぶ防砦の一部だという。

石造りの立派な砦である。日本では弥生時代中期の時代である。文化が違うので比較にはならないが、日本では稲作や高床式倉庫、村の発展が中心の時代である。

ここには鉄製の鍬や斧なども展示してある。争いのための剣や鎧もある。今でも通用しそうな革靴はすばらしかった。

これらの出土品や時代の感じは、日本で言うと、大和時代の国家統一の争いの時代か、安土桃山時代か…。

土器は弥生式土器に形が似ている。縄文土器にあったような顔をデザインしたものもあった。

出土した土器や武器を展示

出土した土器や武器を展示

高校で学習した日本史や世界史を少し思い出していた。

バスは15時46分である。数分前にバス停に向かったが、ここで乗ったのは私1人であった。

バート・ホンブルク駅に着いたらすぐに電車があったので、フランクフルトに16時半頃戻ることができた。

ドイツでは珍しい森を歩き、世界遺産を見ることができた1日であった。


【歩いた日】
2015年3月14日(土)
【天候】曇り時々小雨
【コース及び時間】
フランクフルト駅11:54=(S5)=12:24バート・ホンブルク駅13:25=(バスNo.5)=13:45ザールブルク-森歩き-14:51ザールブルク城砦見学15:46=(バスNo.5)=16:05バート・ホンブルク駅16:15=(S5)=16:35フランクフルト駅
【森歩き 合計:1時間6分】

コースタイムは写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。その時の体調や天候によって大きく変わってきます。また、歩き方で全く変わりますので、あくまでも参考タイムにしてください。

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