開催が迫る伊勢志摩サミットでの来日時に、オバマ大統領が広島平和記念公園に献花を行うのではないかと噂されています。米国の大統領が原爆の責任を認め謝罪するということがあれば、被爆国である日本としては喜ばしいことにも思えますが…どうやらそうでもないようです。 戦略学者の奥山真司さんは、自身のメルマガ『日本の情報・戦略を考えるアメリカ通信』で、米国大統領が原爆投下を謝罪してしまうと、日米の歴史問題が逆に悪化する可能性があると指摘しています。
オバマは広島で謝ってはダメという「パラドキシカル・ロジック」
おくやまです。今回は来月開催される伊勢志摩サミットについて一言。
すでにご存知かと思いますが、アメリカのケリー国務長官(米国の外務大臣に相当)が、米国政府の閣僚としては初めて、広島原爆平和記念公園に献花をしました。これは非常に画期的なことで、おそらく来月のオバマ大統領も広島に来るのではという予測と期待も同時に高まっております。
日本国内の受け取り方もおしなべて好意的でして、実際の謝罪の言葉はなかったのですが、それでも献花してくれたという行為だけで十分意図は伝わってきたという感覚がありました。
そしていよいよ来月のサミット前後のオバマ大統領の献花が行われるかどうかですが、ここで私は読者の皆さんに冷静になって考えてみて欲しいことが1つあります。それは、オバマ大統領が原爆投下を謝罪したらどうなるか、ということです。
「いやいや、これはこれでいいことじゃないの?」という方は多いと思いますし、私もこれが良いことを否定するつもりは毛頭ありません。1人の日本人として、アメリカの大統領自身に広島という象徴的な場所に来てもらって(ほぼ戦争犯罪というべき)原爆投下を謝罪してもらえば、十分よくやってくれたと言いたいわけです。
ところがこのオバマ大統領の謝罪に関して、私には大きな懸念があります。というのも、そのアクションにはリアクションがつきものだからです。
● 16-4/12 The Federalist The Obama Administration Is Now Apologizing For America Winning World War II
たとえばこの記事などはアメリカの共和党系の保守派の人の意見なのですが、その内容を簡単にいえば、
「おいオバマ、俺たち悪くないし、日本も謝罪を十分にしていないのに勝手に謝罪してんじゃねぇぞコラ」
というものです。
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