電源不要。テレビアンテナで「聞く」ラジオの作り方

2016.06.30
by gyouza(まぐまぐ編集部)
 

ゲルマラジオを5分で組み立ててみよう!

それでは、組み立て方を写真で簡単に説明していきましょう。

まず最初に、ゲルマニウムダイオードを2本用意します。

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写真のように、ゲルマニウムダイオードの赤い線が上と下と交互になるような形で並べます。

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そして、それぞれの端をセラミックイヤホンの2本のコードにそれぞれ輪っかを作ってひっかけます。このとき、ゲルマニウムダイオードの赤い線がお互い上と下と別々になっているかどうか確認してください。同じ方向同士だと音は鳴りません!

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そしてひっかけた金属部分に、単体のみのむしクリップをそれぞれハサんじゃいます。注意したいのは、ちゃんとひっかけた状態でしっかりハサむことです。これでハンダ付けの必要がなくなります。色を3色で変えれば見た目も電子工作っぽくカラフルになり、ラジオ工作っぽさが増しますね。

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さらに、ゲルマニウムダイオードのはさんでない側をそれぞれネジネジと縒(よ)って1本にします。その部分を、みのむしクリップ付きコードの片側でハサんじゃいます。上の写真のような感じです。もうそろそろ完成です。

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箱の中にみのむしクリップがうまくおさまるように折り曲げて、収納。マッチ箱より大きな箱に入れる場合は、無理に折り曲げる必要もありません。みなさまのお好きな大きさの箱に収めてみてください。私は台湾の古道具屋で買った、1970年代の香港のレストランのマッチ箱(レア物)を惜しげも無く使ってみました。

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フタを閉めたら完成です! すごくシンプルだけど、こんな数個の部品で聞こえるんでしょうか。さっそく耳にイヤホンを入れてみると……。シーン。あれ、何も聞こえない。。。

これ、まだアンテナに何も繋げていないからなんです。では、どうすれば音がなるのか以下でご説明します!

自宅にあるテレビアンテナを使ってラジオを聴こう

みなさんのご自宅にテレビはありますか? 見ないかどうかはともかく、ないという方はほとんどいらっしゃらないと思います。

このテレビアンテナを使って、いま自作したゲルマラジオを聴いてみましょう。

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では、ご自宅のテレビの裏側をのぞいてみましょう。テレビ本体に、このようなアンテナ線が刺してありますよね?この線をテレビ本体からちょっと抜いてしまいます。番組を録画中の方は、抜くタイミングに注意してくださいね、映像が映らなくなっちゃいますから。
DSCN4040抜いたアンテナ線の先にある棒のような細いPINの部分を、さきほど作ったラジオのみのむしクリップ付きコードの片側でハサんでみましょう。はい、これでラジオのアンテナは確保できました!

…はい、これで全ての準備は整いました。いざ、セラミックイヤホンを耳に入れてみると…

おお、おお! 伊集院光の声が聞こえる!ラジオだ!おそらくTBSラジオだ!これは感動します!!!

電池も、電源もないのにラジオが鳴る不思議、みなさんもぜひ体験してみてください。

このラジオ、超シンプルな構造ゆえ選局ができず、お住いの家のアンテナが拾う一番強い電波のラジオ局1局および数局の放送が混ざって聴こえるはずです。選局ができない、音量が変えられない不便さはあるものの、これなら停電でも防災ラジオ放送が聴けますね。

お住いの地域や環境によっては、ラジオ放送が聞こえにくい、あるいはまったく聞こえないこともありますので、友人の家職場など、いろいろな場所で試してみてください。きっと放送が聞こえる場所が見つかるはずです!

週末に秋葉原や日本橋などの電気街にふらりと立ち寄って部品を揃え、電源いらずの「ゲルマラジオ」を作って少年時代にもどるのもよし。ご家族や友人を驚かせてみるもよし。ご自宅で「科学の不思議」を体験してみてはいかがでしょうか?

 

八角亭小籠包(はっかくてい・しょうろんぽう)

東京生まれ。少年時代より電子工作などの趣味に没頭。中学時代は、神田・錦町にあった電子工作の専門店「科学教材社」によく通っていた。縁あって台湾へ移住。近いうちに台湾グルメ情報と豆知識を少しづつ小出しにして発表するつもり。

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