敵は生徒だけではない。保護者も顧問も加担する部活内いじめの対処法

 

ちなみに、「いじめ」が起きやすい部活があるようにも見えます。バスケ部、テニス部、吹奏楽部の相談が特に目立ちますし、それ以外にもダンス部やサッカー部などのいじめ相談も入ってきています。

勝ち負けが出るような部活では、運動能力の低い子や、試合や本番で失敗した子がいじめの対象になりやすいものです。顧問の教師もいじめよりもチームの勝利を優先しがちです。お互いに競い合い高め合うライバル関係になればいいのですが、悪い方向に向かうと嫉妬が生まれ、嫉妬からのいじめが起きます。また、「鍛える」が行き過ぎると「体罰」や「しごき」も生まれてきます。

さらに「部活」は隠蔽圧力も発生しやすいのです。いじめや暴力が発覚すると、廃部や大会への出場停止、対外試合の禁止などの処分がくだされることがあります。これを避けるために、部活に熱心な保護者や教員が一緒になって、「事件はなかったことにしよう」とする事例もあとをたちません。

このような状況に対しては、一般的には

  1. 我慢する
  2. 部活をやめたり、転部する
  3. 教師に訴える
  4. 親に相談する

ことなどが挙げられます。

大事なことは、子供たちが楽しく部活に参加できるようにしてあげることです。子供たちが大人に相談できるような雰囲気をつくってあげて欲しいと思います。保護者としては、子供から相談を受けたら、顧問、校長にすぐに相談して、いじめを解決することが必要です。

強制的に部活に入れられるような学校もありますが、本来、部活は強制するものではありません。また近年は、部活動における教師の負担が大きすぎることも問題になっています。6月13日、文部科学省から「学校現場における業務の適正化に向けて」という報告書が発表されました。教員の長時間勤務の実態を改善し、子供と向き合う時間を確保することなどが盛り込まれています。その中で、部活については、行き過ぎた活動を問題視し、休養日を設けることなどが提案されています。

部活動を通して子供たちの体力増進や、精神力の向上にも大きく貢献しています。オリンピック選手を輩出する大きな支えにもなっています。部活動をいじめの温床などにしてはなりません。部活動が、学生時代の楽しい思い出として残るようなものにしてあげたいと思います。部活でのいじめの相談もご遠慮なくご相談ください。

いじめから子供を守ろう ネットワーク
井澤  松井

image by: Shutterstock

 

いじめから子供を守ろう!ネットワーク
「いじめ」と学校の「いじめ隠ぺい」から、子供たちを救うための、父母によるネットワークです。いじめの実態やいじめ発見法、いじめ撃退法、学校との交渉法、いじめ相談などを掲載します。
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