これだから「とっておきのアイデア」を温めている奴には発想力がない

 

私は風景を共有するスマホアプリを作ったのですが、これを作った当初、もういろんな人から、「自分もこういうアイデアを持っていた」とか、「同じことを考えていた」と飽きるほど言われました。アイデアを持っていたとか、考えていたとか、そういうレベルの人は本当に何の意味もなくて、それをどう形にしたのかという形があって初めて、「ああ、じゃあこういうコラボができますね」という話になっていきます。

スマホアプリが出来てからも、発想力自慢の人たちから「こういうアイデアがあるけれど、どうだろう」とか「自分だったらこうやるけどなー」とか、アイデアの提案がすごいたくさん来ます。「じゃあ自分でそれをやればいいじゃない」と思うのです。

自分はアイデアを形にすることを一切やらずに、人がやっていることにアイデアだけで乗っかろうとする人、ものすごくたくさんいるのですが、それでは何の価値もないんですね。

本当に自信のあるアイデアだったら、もうとっくに、形を作ることに取り組み始めています。取り組み始めると「そうか、こういうアイデアもあるな」「このアイデアはダメだな」と試行錯誤をして、いろんなアイデアを産んだり捨てたり組み合わせたり、アイデアの形をいじる作業になっていきます。

だから、アイデアだけが単独でそのままあって「これはいいアイデアだから、とっておきにしてます」なんていう虎の子アイデアは、ほぼゴミなのです。ほぼゴミの古い家具を「これはどこかで使えるに違いない」と取っておくと家の中を無駄に占拠してしまうように、虎の子アイデアというのは、とても邪魔ものです。

その虎の子アイデアを「これが最高」と思っていることが、それ以上のアイデアを出すことを阻害してしまい、発想力がどんどん衰えていく上に、自分の未来の行動もどんどん制限されていくからです。

発想力で大事なのは、最高の虎の子アイデアひとつを大事に育てることではなく、何匹もの虎を産み続けることなのです。そこを勘違いしていると、人生を大きく損します。

 【今日の発想源実践】(実践期限:1日間)

  • 「発想力が高い人」とはどのような人のことをいうか。自分の定義をノートにまとめる。
  • 「良いアイデア」とはどのようなアイデアのことをいうか。自分の定義をノートにまとめる。

image by: Shutterstock

 

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