安倍首相が「テレ朝」に激怒。党首討論で何が起きたのか?

 

納得のいかないテレビ局側の思いと、安倍首相の拒否姿勢がぶつかり合うシーンがあった。6月21日、テレビ朝日「報道ステーション」における党首討論会。富川キャスターが「もう一度どうしても(討論会を)やりたい」と要請したが、安倍首相にすげなく断られた。その理由が、なんと、こうなのである。「菅政権の時にですね、報道ステーションに菅さんは出なかった」。

毎度のこととはいえ、あまりにも発言内容が子供じみていないか。この人はつねに、他人を引き合いに出して自分を正当化しようとする。まさか、投票日間近にボロを出したくないから、などと本音をもらすわけはないが、もう少しマシな理屈があってもよさそうなものだ。「期日前投票の前にしっかりと議論を終えておくべき」とも言ったが、話にならないこじつけだ。

しかも、菅直人は、首相だった前々回参院選で、報道ステーションの「参議院選挙各党首に古舘が聞く」(2010年7月1日)に出演しているのである。よく確かめもせず、元首相の行動に言及できるものだ。あまりにも軽すぎる。

しかも、自分のいい加減さは差し置いて、6月21日の報道ステーションにケチをつけ始めた。翌22日の安倍晋三フェイスブック。

…秘書です。(中略)報道ステーションの対応にはあきれました。まず時間を守らない。昨日(21日)は「大分へのフライトの関係で18時終了を厳守して欲しい。」と出演交渉をしたところ、テレビ朝日側が「18時の終了を厳守するのでやりたい。」との収録時間の厳守を条件に了解しました。にも関わらずこちらが席を立たなければならない事をわかっていて18時を過ぎてから質問を投げかけ、あたかもこちらが打ち切った様な印象を与える演出は卑怯です。(中略)そして民主党政権時の参議院選挙では菅首相(当時)はテレビ朝日の番組への出演を拒否していますので、テレビ朝日では党首討論は行われていません。その事は伏せて「安倍総理の都合で報道ステーションでは選挙前に1回しか行われていない、もう1回」と言うのは実にアンフェアです。

民主党政権時の菅首相(当時)がテレビ朝日の党首討論出演を拒否したというのは前述したように、事実誤認である。

それ以外に、安倍側が問題にしているのは、時間が守られなかったこと安倍が議論を打ち切ったような演出になったことであるようだ。

では、そこのところをよく確認してみよう。討論最後の一瞬に起きたできごとなので、目を凝らして何度も録画を見直した。時間が押してしまったのは安倍首相が他の党首の発言にいちいち反応し、勝手に割って入って話しはじめるなど、聞く耳持たず自己宣伝に励んだせいもある。全体を通してそう感じた。

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