バターは身体に良いのか?悪いのか? 研究がハッキリしない理由

2016.07.06
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ダイエット中に「控えるべき食べ物」リストを作成したとしたら、砂糖や油物と肩を並べて、必ず登場しそうなバター。脂肪たっぷりです。心臓病や糖尿病といった慢性的で深刻な病気にも影響があるというイメージがあるので、好きだけど我慢している、という方も多いのではないでしょうか。そんな中、そんなバターを再評価しようという声があがっています。

バターは心臓病や糖尿病に影響なし!だけど、有害でも有用でもない中立的な食べ物

ワシントンポストの記事では、アメリカの健康な状態の成人約63万6151人を含む9つの研究結果から、バターの消費量と健康への影響について分析をしています。

まず、成人一日の平均的なバターの摂取量は、スプーン大さじ1杯(1杯は15ml)で1/3杯〜3杯という結果が出ました。

調査期間10年の結果を分析すると、9,783人もの人が心血管疾患、もしくはそれに関連した病気、例えばアテローム性動脈硬化や脳梗塞を発症したそうです。

そして、糖尿病に関しては2万3,954人が発症したとのこと。

ただ、バターの消費は心血管疾患に関する病気に影響はなかったとのことです。

むしろ、バターを消費している人については、「2型糖尿病になる確率が4%程減っているとのことでした。

スプーン大さじ1杯のバターには約7gの飽和脂肪が含まれていると言われています。

飽和脂肪とは取りすぎると、前述したような疾患を引き起こしますが、不足すると血管が弱くなり脳出血などを引き起こすため、バランスよく取る必要がある成分です。

ただ、今までは「バターと健康」という観点から見たときに、飽和脂肪というネガティブな成分にだけ焦点が当てられてきたため、身体にプラスとなる他の成分が見過ごされてきた可能性がある、と研究者たちは付け加えます。

確かに、エネルギーの増加以外にバターが身体にいい、というイメージはないですよね。

今回の調査結果から、研究者たちはバターを「健康的な食べ物である」と断言をすることはなく、“Middle of the road food(中庸的な食べ物)と定義付けました。

「砂糖やデンプンよりは健康的だけど、代用品として用いられる豆乳やキャノーラ油、オリーブオイルよりは健康的ではない」という意味での、中間的な食べ物。

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