実は脂肪は身体に悪くない 拭えないネガティブなイメージと科学者たちの苦悩
米TIME誌によると、同研究に携わったボストンにあるFriedman School of Nutrition Science and Policyの学部長を務めるダリウシュ・モザファリアン博士(Dr.Dariush Mozaffarian)は、「バターは極めて有害とも、有効ともいえない」とこたえています。
「全体を通してみると、飽和脂肪はニュートラルな位置づけといえるでしょう。サラダ油、果物やナッツはバターよりもヘルシーです。その一方で、低脂肪の七面鳥肉、ベーグルやコーンフレークやソーダといったものはバターよりも健康に悪いのです」
以前にも、脂肪について、健康に害はなく体重の増加にも関連がない、という事実を研究者が証拠をつきつけても、「アメリカ人の中で最も中傷されてきた栄養」という汚名が晴らせないでいるようです。
モザファリアン博士は、4月にジャーナル誌Circulationにて別の研究結果を発表していました。
それは、3,333名の成人の血液を分析したもので、高脂肪の乳製品から高いレベルで3つの副次的結果が出た人に関しては、低いレベルの人と比較して46%も糖尿病を発症するリスクが減ったということです。
その他の研究でも高脂肪の乳製品がもたらすメリットについて様々な調査結果がでているとのことです。
以前に書いた記事「健康神話崩壊。「低脂肪ミルク」に隠された代用品の甘い罠」においても、低脂肪や無脂肪の乳製品のリスクと、脂肪を摂取することのメリットについて記述していますので、ぜひご覧ください。
このバターの研究については様々な反応が。
「アンチバターなやつらの話を聞かなくて正解だったよ。まあ、もともとバターはたくさん食べてないし、揚げ物やサラダにも植物性のオイルを使っているんだけどな」
「飽和脂肪こそ私たちが摂取するべき栄養だよ!最も安定している脂肪で酸化に抵抗できるしね」
「セールの時期にはバターを大量に買いだめしているよ」
コーヒーに砂糖をいれる代わりにバターを、という切り替えは難しいとしても、こういった知識も念頭にいれて、ひとつの製品を過剰に摂取することなくバランスのよい食生活を心がけていきたいですね。
ただ、様々な説が飛び交っているため、情報をしっかりと調べて考えていくことが、今後本当の意味で健康に生きていくためには必要な行動なのかもしれません。
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文 / 臼井史佳