「残業しろ」を拒否したら解雇された。会社は無罪か、有罪か

 

会社が勝ちました。その残業命令は有効であると認められたのです。

ここまでお話をすると「残業は業務命令なのだから認められて当たり前」と考えている人もいるかも知れません。ただ、それは違います。単に「業務命令=残業有効」ではないのです。残業が有効と認められるには条件があります。

それは、

  • 就業規則に定めがあること
  • 36協定を締結し、届け出ていること
  • 就業規則、36協定の内容が合理的なものであること

です。逆に、これらの条件のどれかひとつでも欠けていたら、残業は有効とは認められません。みなさんの会社はいかがでしょうか。残業を会社が強制はしていなくても実際に残業をしている社員がいるのであれば、上記の条件は整えておく必要があります。また、仮にいずれの条件も満たしていたとしても、そもそも残業をしてまでやる必要のないものを残業してやらせていたら、それは認められないでしょう。

さて、冒頭の話に戻りますが、長時間労働の問題というのは非常に難しいものです。おそらく、世の中のほとんどの会社が頭を悩ませていることでしょう。ただ、長時間労働に対する法律の規制は厳しくなる一方ですし、社員募集の際にも間違いなく悪い影響が出てくるでしょう。そうなる前に何とかしましょう。今すぐ解決することはできなくても今すぐ取り組みを開始することはできます。みなさんは何から始めますか?

image by: Shutterstock

 

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企業での人事担当10年、現在は社会保険労務士として活動する筆者が労務管理のコツをわかりやすくお伝えいたします。
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