『シン・ゴジラ』は見る価値あり?映画野郎がネタバレなしの緊急トーク

 

KANTO:ゴジラはどんなに頑張っても架空の産物だけど、もしこれが今のトウキョウに君臨したらどうなる?っていうことを丁寧に描いて見せた。実は、同じことを2012年に庵野秀明と樋口真嗣のコンビは、『巨神兵東京に現わるという短編映画で試していたんですよね。

原口:『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の同時上映だったやつね。それは自分も思った。その『巨神兵東京に現わる』とほとんど同じ構図でゴジラが歩く印象深いシーンがあったね。いま思うとこれが『シン・ゴジラ』の予告編のような。

KANTO:予告編と言うか、プロトタイプかな。

原口:あと見ていると、随所に昭和29年の元祖ゴジラへのリスペクトもひしひしと感じさせる。古い東宝のロゴが出るあたりからもう最高だよね。

KANTO:シネスコ全盛期の東宝映画のロゴは、『三丁目の夕日』でも出てきましたが、僕が驚いたのはその直後の青バックの東宝映画の文字です。これが出てくるのは昭和の東宝映画しかありませんよ。まるで、タランティーノ映画みたいな遊び心にトキメキを憶えましたね

小川:東宝映画のロゴもしかりですが、作品の内容にも昭和29年版ゴジラ』へのリスペクト、というか原点回帰が見られますよね。昭和29年版も昭和59年版もゴジラ誕生は核兵器や放射能汚染が絡んでいますが、そこを核廃棄物の不法投棄にマイナーチェンジしながらも「人類の手による自然・環境破壊→人災」と遠回しに言っている。さらには、大元に第二次世界大戦の原爆投下も絡む。そこをキチンとストーリーに組み込んだことで話のスケールが大きくなりましたし。

原口:そうね、世界唯一の被爆国だという、日本の歴史的背景もきっちり入っている。とにかく『シン・ゴジラ』は架空のゴジラに対してファンタジックな形ではなく、現代の日本人たちがリアルな生物としてとことん「真剣に向き合う」ことで傑作になった。この徹底した真剣さが俺たちの感動を呼んだわけで。

KANTO:観終わると、日本という国そのものに共感している自分がいました。日本はまだまだ頑張れるよって、国民一人ひとりが元気づけられる感じで盛り上げるんです。

 

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