安保法制だけではない。この夏、安倍政権を追い詰める7つの重大案件

 

(5) アベノミクス行き詰まりがいよいよ露わになる。先日の中国株暴落で、株価を吊り上げて成長しているかに錯覚させるという安倍のマジックは、化けの皮がたちまち剥がれた。日本の市場の時価総額は、ご存じかどうか、中国の半分以下でしかない。昔は米国がくしゃみをすると日本経済は肺炎になると言われたが、今は中国が風邪を引いても日本が肺炎になる。

(6) 新国立競技場計画の無謀はついに見直しとなった。安倍は「国民の声に耳を傾けて」と言ったが、そうならまずは安保法制の白紙撤回だろう。コンペ第3位の妹島和世さんの和の美しさを表現した作品が一番相応しいと、私は13年12月から主張している(これについては、YAHOO!ニュース・個人の中の高野コラムで近く連載するので参照されたい)。

(7) もう1つ、重要なのは9月6日岩手県知事選。小沢一郎が共産党の志位委員長と話して独自候補を出すのを止めて貰い、自公vs野党統一の沖縄型の図式ができそうだ。その延長で小沢は来夏参院選、次期衆院選で「オリーブの木」方式で野党が結束すれば政権交代は可能なんだと提案している。小沢さんが好きか嫌いかはいろいろあるし(会場笑)、今どれだけ力があるかということもあるが、私はこの発想に賛成だ。

それにはまず野党第一党の民主党がしっかりして、安保でも原発でも沖縄でもシャキッとした姿勢をとって野党の中で主導権を発揮してくれないとどうしようもないが(会場笑)、まあとにかくこの馬鹿げた安倍の「一強多弱」状態は強いように見えて弱く、崩れるときにはアッという間に崩れると見るべきだろう。

この戦後70年間でいちばん暑い夏、国権vs民権の全面的な闘いがいよいよ始まる。

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image by: WIKIMEDIA COMMONS

高野孟のTHE JOURNAL』より一部抜粋
著者/高野孟(ジャーナリスト)
早稲田大学文学部卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。現在は半農半ジャーナリストとしてとして活動中。メルマガを読めば日本の置かれている立場が一目瞭然、今なすべきことが見えてくる。
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