忘れられたアラブの春。世界はもはや「独裁の世紀」に突入している

 

世界の弱体化

トルコ、フィリピン、中国と紹介してきたが、何といっても我々の身近なのは北朝鮮。9月9日の共和国創建記念日に核実験を実施。さらに、この数年で100人以上の幹部を処刑。そして、8月中旬にはイギリス駐在の北朝鮮公使が亡命し、亡命理由は「金正恩体制に嫌気がさした」という。

この金正恩態勢をいつまで放置しておくのかという問題はあるが、アメリカも中国も今一つ強く出られない。今後まだまだ実験を行なう可能性は否めないし、日本に飛んでくる可能性もある。世界中から非難され制裁決議が行なわれてもほとんど効果はなく、世界がそれを取り押さえる力が無くなってきたといえる。

米ソが牛耳った時代

以前は、北朝鮮であれば中国が言えば収まる、新興国であればアメリカやソ連が言えば収まるという状況だったが、残念ながら今はそういう状況ではない。昔も強権政治はあった。例をあげると強権的で有名なフィリピン・マルコス大統領エジプト・サダト大統領とムバラク大統領はこの二人の時代50~60年間エジプトを強権的に支配し、軍が非常に強かった。そして、アフリカ・ソマリアではソ連とアメリカが交互に味方し、政権がソ連派、アメリカ派と大きく入れ替わった、その中で特に印象に残っているのはバーレー大統領時代の強権だ。

冷戦時代は背後でアメリカとソ連がその国をバックアップしていたことによって全体が収まっていたが、今はそういった際に治める人がいなくなった。そのあたりが今の強権政治の難しい流れがあるのだろう。

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