「重版出来」「出面」「包袋」…読めそうで読めない業界用語14選

 

 <特許事務所> 包袋(ほうたい)

お客様とのやり取りや案件の書類等を全部まとめておくファイルのことを包袋と呼びます。
包帯?と最初は思うので、イメージが浮かばず苦労します。(40代 女性)

「包袋」は字だけ見たら、読めなかったです。漢検の問題に出てきそうですね。

 <通信業界> 線表(せんぴょう)

スケジュールのことです。
社内では「スケジュール」と言う人をほとんど聞いたことがありません。
スケジュールは「たてる」と言いますが、線表は「書く」と使うのがおもしろいところですね。
「じゃ、線表、書いてくれる?」など。(40代 女性)

<通信業界> 使送便(しそうびん)

社内専用の配達便のこと。
これは他社でも使っているところがあるようですが…。
「iモード事件」著者の松永真理さんが、本の中で「はじめて『使送便』と聞いたとき、『死相』かと思ってびっくりした」
とあり、その一文に笑ったことを覚えています。(40代 女性)

どこの企業かピントきた人もいるのでは?
社歴の古い会社ならではの用語、という感じがします。

<着物業界> 正絹(しょうけん)、合繊(ごうせん)

絹物をしょうけん、ポリエステルなどの合成繊維をごうせんと呼んでいます。
ちなみに、レーヨンは「人絹(じんけん)」
  使用例: この着物、正絹? 合繊?
       正絹の胴裏をつけてください。
                           (30代 女性)

<着物業界> 鯨尺(くじらしゃく)

和裁で使われる単位の種類で、昔は鯨のヒゲを定規替わりに使っていたところからきているらしいです。
単位は尺・寸・分
同じ尺でも大工さんの使う曲尺とは若干長さが違い、和裁の鯨尺だと、一寸が約3.78センチになります。(30代 女性)

化学繊維ではなく、合成繊維というのが渋いですね。
「人絹」というのも言葉として迫力あります。
先日、老舗の和菓子店を取材したとき、分量はグラムではなく「匁(もんめ)」で計ると聞きました。
日本特有の単位にも業界によっていろいろあり、しかも、現在も使われているところがいいですね。

業界用語というよりも、習慣からくる造語?

<印刷業界> 紙データ(かみでーた)

私が使うのではなく、一部のお客様から聞く言葉ですが…。
データを出力したものや手書きなどの紙ベースの原稿を「紙データ」と表現される方がたま~にいらっしゃいます。
そ、それはデータではないぞ、私らが入力してデータ化するんだぞ、と心の中でいつも突っ込んでいます。(40代 女性)

私もうっかり使っているかも……「これ、紙データでいただけますか」とか。
デジタルデータと紙に出力したデータを混同して、こういう用語になってしまうんですよね。

<土木・建設業界> 埋め殺し(うめごろし)

建設現場で掘削中、土砂崩壊を防ぐため鉄の矢板というもので壁をつくり、作業後、埋め戻し時にその矢板を撤去することなく埋めてしまうことをウメゴロシといいました。(40代 男性)

先ほど紹介した「はめころし」に続く用語の登場ですね。
印刷業界にも、これに似て、物々しい用語がある模様。
参考:知っても役に立たない(?)印刷用語(3) びっくり印刷用語

image by:Shutterstock

 

『仕事美人のメール作法』より一部抜粋

著者/神垣あゆみ
広島を拠点に活動するフリーランスのライター。若手ビジネスマン向けにメールマナーの基本を解説した『メールは1分で返しなさい!』(フォレスト出版)など著作多数。まぐまぐから無料メルマガ『仕事美人のメール作法』を配信中。
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