お鍋が美味しい時期になりました。お鍋では「しめ」も楽しみのひとつです。
あなたの「しめ」は何派ですか?
「ご飯」でぞうすい、出汁をきかせた「うどん」、最近では「ラーメン」というのも見かけるようになりました。
今回ここでは、しめの代表格「ご飯」と「うどん」について、管理栄養士の視点で掘り下げてみましょう。
「ご飯」と「うどん」の栄養素
ご飯やうどんは、炭水化物がメインのエネルギー源となる食品です。栄養価に大きな違いはありません。
鍋料理は肉や魚、豆腐などで「たんぱく質」や「脂質」を、野菜やきのこ、海草類で「ビタミン」「ミネラル」を摂ることができます。
これに「炭水化物」を加えれば、身体に必要な栄養素をバランス良く摂ることができます。
ご飯とうどん、どちらでも栄養バランスを良くするには、しめも大切ということですね。ただし、春雨、お餅、きりたんぽなど、他の炭水化物を使う場合には、摂り過ぎには注意しましょう。
しめまで塩分の取り過ぎに気を付けよう
お鍋は手軽に様々な食材を食べることができる栄養価の高いメニューです。とはいえ、塩分の取り過ぎが気になるところ。
お鍋の種類によって多少差はありますが、1人分でおおよそ5~7gもの塩分が含まれています。
厚生労働省が公表している「日本人の食事摂取基準2015年版」では、1日の塩分摂取の目標量は成人男性8g、成人女性7gとされているので、全て飲み干すと1食でほぼ1日分の量を摂ってしまうのです。
ひと通り終わった鍋のスープは濃縮されているため、しめでは知らず知らずに塩分を摂り過ぎてしまいます。スープを吸う雑炊の前には、お湯、またはだし汁を加えて「薄め」に調節しましょう。
また、うどんはあらかじめ茹でておき、スープで温める程度にしましょう。
ダイエット中にオススメなのは
「野菜がたっぷり摂れてヘルシー」とダイエット女子の支持が高い鍋。
ダイエット中の方に炭水化物は敬遠されがちですが、栄養バランスの乱れは不調やリバウンドを起こしがちなので、炭水化物も適切に摂ることが大切です。
そこでオススメなのは「ご飯」です。
ご飯は水分を吸って、おおよそ1.5倍に膨らみます。つまり、少ない量でも満足感を得ることができます。
ご飯とうどん、オススメな鍋料理は?
ご飯もうどんも、どんな鍋にも合うのが支持される理由のひとつでもあります。
そんな中でも、ここまでの話からオススメの種類をわけるならば、ご飯は味が薄めで具材の旨みが染み出した鍋、うどんは味が濃い鍋にオススメです。
しめが「ご飯」
水炊き、寄せ鍋など
しめが「うどん」
キムチ鍋、すき焼き、味噌ちゃんこ鍋、豆乳鍋など
お鍋の種類もしめのバリエーションも年々増えています。「トマト鍋」なんかも定番になりつつありますね。
食べ過ぎには気をつけて、温かくて美味しい鍋を健康的に楽しみましょう。
執筆:山本ともよ(管理栄養士)
image by: Shutterstock
<執筆者プロフィール>
山本 ともよ(やまもと・ともよ)
管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー
株式会社 とらうべ 社員。企業で働く人の食と健康指導。糖尿病など疾病をもった人の食生活指導など活動中
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