シェア7割でぶっちぎり。タイムズのカーシェアは何が凄いのか?

 

TCPの成長を支えているのが駐車場事業です。カーシェアリングの成否はサービスの特性上、貸し出す車の提供場所の利便性に強く影響を受けます。

カーシェアリングは短時間でも気軽に車を利用できることが特長です。一般的なカーシェアリングは15分からの利用が可能で、買い物や人の送迎といった短時間の用途でも活用できます。そのため、コンビニのようにいつでも気軽に利用できる必要があります。この利便性を実現するためには、利用者の居住地の近くに車を貸し出す場所がある必要があります。よって、貸出場所の数が重要な要素となります。

パーク24の16年10月末時点のタイムズ駐車場(同社の駐車場ブランド)の数は1万5,792件です。コンビニ最大手のセブン-イレブンの同時点での店舗数は1万9,076件です。セブン-イレブンの店舗数に匹敵する数のタイムズ駐車場があります。そのタイムズ駐車場にTCPで貸し出す車を配備することで、利用者はコンビニ感覚で気軽に利用することができます。

一方、競合他社の多くは貸出場所の賃貸や保有のために追加のコストを拠出しています。しかし、パーク24ではその必要がありません。自社のタイムズ駐車場の遊休場所を利用できるため、場所確保のための追加のコストが発生しません。TCP用の車をタイムズ駐車場に配備するだけで済みます。

TCPの成否を握るタイムズ駐車場の確保は同社の400名の営業員が担っています。地道に街を歩いて遊休地を探すドブ板営業が特徴です。都市部を中心に存在する遊休地に着目し、遊休地を駐車場として有効的に活用するビジネスモデルを構築しました。街の遊休地があれば土地オーナーと直接交渉します。基本的に不動産屋を介しません。土地を購入したものの、その活用方法を決めかねている土地オーナーから土地を賃借し、用地提供を受けて、駐車場を整備していきました。

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