シェア7割でぶっちぎり。タイムズのカーシェアは何が凄いのか?

 

遊休地は放置しておくと固定資産税だけがかかり続けます。また、一時的にアパートやマンションを建てる場合は売却時にコストや手間がかかります。土地オーナーとしては、土地をパーク24に賃貸することにより、安定的な収入が得られる上に、用途が決まった際にかかるコストや手間が少なくて済むというメリットがあります。

地価が高い日本では慢性的に駐車場不足が続いています。06年6月に道路交通法が改正され、駐車違反の取り締まりが強化された結果、都市部を中心に駐車場需要が一気に高まりました。

地価が高い日本において、土地を購入して駐車場運営を行うことはリスクの高いビジネスです。そのため、広域展開するのは資本力を有する一部の大手に限られていました。しかし、パーク24は遊休地に着目することで土地購入というリスクを回避し、大手の間に割って入ることができたのです。

遊休地の所有者には個人の土地オーナーが多いこともパーク24に利するかたちとなっています。法人所有の土地は3~5年で解約されてしまうリスクがありますが、個人所有の土地は5年や10年といった長期間の賃借が可能だからです。

タイムズ駐車場の数は右肩上がりで増え続けています。今でも駐車場の需給ギャップは解消されておらず、駐車場が全く足りていない状況です。タイムズ駐車場は今後も増え続けていくでしょう。同社の独走状態は当面続きそうです。西川光一社長は「同業他社はいますが、ライバル意識を感じているところはないですね。規模感が違います」(企業家倶楽部/123号)と余裕綽々です。

タイムズ駐車場の成長はまだまだ続くと思われます。そして、タイムズ駐車場の成長に合わせてTCPも成長していきます。二つは相乗効果の高い事業といえるでしょう。また、若者を中心とした消費者の占有に対する意識は弱まり、他人とシェアする意識が強まっています。こうした消費者のライフスタイルの変化も追い風となっています。パーク24のカーシェアリング「タイムズカープラス(TCP)」の快進撃は当面止まりそうもなさそうです。

 

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著者/佐藤昌司
東京MXテレビ『バラいろダンディ』に出演、東洋経済オンライン『マクドナルドができていない「基本中の基本」』を寄稿、テレビ東京『たけしのニッポンのミカタ!スペシャル「並ぶ場所にはワケがある!行列からニッポンが見えるSP」』を監修した、店舗経営コンサルタント・佐藤昌司が発行するメルマガです。店舗経営や商売、ビジネスなどに役立つ情報を配信しています。
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