「もんじゅ」廃炉決定も、日本が原発から撤退できぬ根本的な理由

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Windows95の設計にも携わった世界的エンジニアでメルマガ『週刊 Life is beautiful』の著者である中島聡さんが、メルマガ読者から届いた質問に回答するQ&Aコーナー。今回は「高速増殖炉もんじゅの廃炉決定」について、読者から中島さんの考えについて尋ねる質問が寄せられています。中島さんは「もんじゅの廃炉は当然」と断言。一方で、日本のエネルギー政策がなぜこんな袋小路にまで陥ったのか、その経緯を明かしながら「核のリサイクル」に固執する政府の方針はなかなか変わらないと予測しています。

高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉決定に思うこと

Question

shitumon

高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉が正式に決まった、という報道がありましたが、中島さんのご意見をお聞かせください。

中島聡さんの回答

「もんじゅ」の廃炉は当然ですが、日本のエネルギー政策全般がどうしようもない袋小路に陥ってしまっている点は変わりません。これがきっかけになって、破綻している「核のリサイクル」にまで手を付けられると良いのですが、当事者(官僚、電力会社、原発メーカー)たちにとって大きな痛みを伴うため、簡単には変えられないと私は見ています。

この話の根底にあるのは、第二次世界大戦で敗戦したために、国連の常任理事国になれず、(良し悪しは別として)核の保有国にもなれなかった、という大きな政治的ハンデを日本が背負ってしまった、という事実があります。

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