【書評】ジャパネットたかたは、なぜ修理せず客に新品を送ったか

 

絶対「買い」の本ですが、一応ポイントをチェックしておきましょう。

カメラを売るときはですね、ただ買ってくださいってだけは言わないんですよ。商品を手に取って使い方を丁寧に説明しました。口で言ったってわからないでしょう。お年寄りはとくにそうなんですよ。だから、フィルムを巻き戻すときは、裏のこのボタンを押しながらこうして回さないと巻き戻しができないでしょう、って説明しながら、実際にやってみせるんです。そしたら売れるんですよ

カメラ店にとって一番利益が出るのはフィルムの現像でした。フィルムを集めるためにもっと他にできることはないかって、また課題が見えてきます。そのとき始めたのが取次店でした。(中略)お客さんにしてみれば、フィルムを出すのは近いところがいいに決まっていますよね。かといって、そこかしこに支店を出すわけにもいきません。だったら、取次店を作ればいいんじゃないかと思ったんですよ。化粧品店とかお米屋さんとかタバコ屋さんとか、そういうところに、取次店の看板を出して現像するフィルムを預かってもらうことにしたんです。(中略)200軒取次店があれば、1日1本でも200本集まるでしょ

ナショナルブランドにこだわったのは、アフターケアを考えてのことでした。通販を利用するお客さまが心配するのは故障です(中略)ソニーの商品なら安心じゃないですか。日本人だから、キヤノン、富士通、シャープって聞いただけで安心するでしょう。だから、そこにこだわったんです。修理体制はありませんでしたから、実際に故障があったときは修理せずに新品をお送りしていました。お客さまとラジオ局に信頼してもらえるラジオショッピングの会社として、全国に広げていくために、そうしたんです

やらなかった失敗はあっても、一生懸命にやった失敗はない

生放送は視聴者の皆さんと、その瞬間の感動を共有できます。それが、私の拘りの一つでした

その理由に曇りがあると、伝えたいことは上手く伝わらない

「ただ伝えるのではなく、伝わるようにしないといけない」といつも思っています。そのために大切なのは、やはりパッション、情熱

そのモノが、その人の人生をどう変えていくか、それが伝わればモノは単なるモノではなくなります。自分の生活を豊かにしてくれる「大切なもの」「欲しいもの」に変わります

モノを紹介するときには、こちらが思っている商品の良さと、相手にとっての価値とを一致させなければいけない

世阿弥は「自己更新」ということを説きました。一流であり続けようとするなら、死ぬまで自己更新していかなければなりません

紹介し切れないくらいビジネスのヒント、生き方のヒントがあふれていて、さすが日本一の販売王と、強く感銘を受けました。

経営者としても、多くが学べる本だと思います。

ぜひ読んでみてください。

 image by: Shutterstock
 
 
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著者はAmazon.co.jp立ち上げに参画した元バイヤー。現在でも、多数のメディアで連載を抱える土井英司が、旬のビジネス書の儲かる「読みどころ」をピンポイント紹介する無料メルマガ。毎日発行。
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