「スイミー」でよみがえるあの思い出。夏に読みたい絵本セレクション

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ムシムシと暑い日が続きますね。こんな時は室内で読書でも…という方へ、夏にぴったりの絵本で心も体も涼しくなりませんか?小学生のときに読んだ、あのお魚の絵本も登場しますよ♪無料メルマガ『大人のための絵本ガイド』からご紹介いたします!

海を舞台にした、暑い夏にぴったりな絵本

夏真っ盛りですね。暑い暑いと嘆いていても、夏は当分、終わってくれません。ここは一つ、元気を出して海や山を楽しみましょう。忙しくて遊びに行けないという人も大丈夫。絵本を読めば、いながらにして別世界に旅立てます。今週は海が舞台の絵本をご紹介します。

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スイミー──ちいさなかしこいさかなのはなし
(レオ・レオニ・作/谷川俊太郎・訳)

海といえば魚。魚といえば、この絵本──『スイミー』です。最初から最後まで、どのページを開いても、海の中。海中の風景や魚が淡い色彩で表現されているので、とても涼しげです。

主人公のスイミーは小さな魚です。きょうだいたちはみんな赤いのに、一匹だけ、まっ黒。違うのはそれだけではありません。飛び抜けて泳ぐのが速いのです。

ある日、きょうだいたちはみんな、大きなマグロに飲み込まれてしまいました。逃げられたのはスイミーだけです。ひとりぼっちになったスイミーは、海の中の冒険に出かけます……。

 

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すばらしいとき
(ロバート・マックロスキー・作/わたなべしげお・訳)

絵本史に残る傑作の一つです。絵を見ているだけで、海の匂いや潮風が感じられます。素朴なタッチの挿絵が、海に囲まれた島のさまざまな表情を生き生きと表現しています。

主人公は2人の少女。姉妹は両親と一緒に、早春から夏の終わりまでを島で過ごします。春の雨、夏の海遊び、星空、すさまじい嵐──少女たちは島での自然体験を胸に刻み込みます。

少女たちの表情も素敵ですが、家が小さく描かれるほどの大きな風景が、息を飲むほどの美しさです。

 

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ウィンクルさんとかもめ
(エリザベス・ローズ・文/ジェラルド・ローズ・絵/ふしみみさを・訳)

主人公のウィンクルさんは漁師でしたが、魚をとるのが下手で、みんなから、ばかにされていました。そんなウィンクルさんの友だちはカモメたち。いつもウィンクルさんはカモメにエサをやっていました。

ある日、ウィンクルさんだけでなく、みんなも魚がとれなくなってしまいました。魚が1匹もいなくなったのです。1カ月たっても魚はとれないままでした。偉い学者たちが対策を練りましたが、だめでした。

他の漁師たちが漁に出なくなっても、ウィンクルさんだけは船を海に出していました。あるとき、ブイにとまった1羽のカモメが何か合図を送っているのに気づきました。飛び立ったカモメの後をウィンクルさんが追っていくと……。

この絵本は見開きページごとにモノクロとカラーの挿絵が交互に現れます。モノクロの挿絵はデッサン風ですが、カラーのほうは水彩(おそらく)です。2つの表現方法を見比べると楽しさが倍増します。

アメリカで話題の洋書絵本-絵を見ているだけで楽しい!

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Ask Me(仮題:私に聞いて)
(Bernard Waber・文/Suzy Lee・絵)

色鉛筆で描かれた赤や黄色の初秋の風景から、素朴さや温もりが伝わってくる作品です。

登場するのは小学校低学年くらいの女の子とお父さん。2人は家の近所に散歩に出かけます。「私に聞いて。好きなものは何って」と娘が言います。「何が好きなの?」とお父さん。「私は犬が好き。/猫が好き。/カメが好き」

特にストーリーがあるわけではありません。お父さんと女の子は問いと答えを繰り返しながら、初秋の散歩を楽しんでいます。詩のような短い美しい文章が印象的です。

乾燥した空気に包まれて、足取りも軽く散歩を楽しむ2人──日本の現実の世界では夏が始まったばかりだというのに、秋の訪れが待ち遠しいです。

image by:Shutterstock

 

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