私も、これまでに30冊以上の本を書いてきました。本を書く、というのは、著者の思考が文章になる、ということです。脳みそが文章に映し出されるものです。
小説家の多くは、若い頃、自分の好きな作家の文章を読むだけではなく、繰り返し書き写した経験があるそうです。これは文章の技巧を身に付けるためということもあると思いますが、好きな作家の思考の仕方、創作方法そのものを身に付けるためなのだと思います。
文章に限らず、繰り返し読んだ本の影響はあらゆる仕事に及びます。著者の思考方法は、事業のアイデア、仕事の進め方、人の指導の仕方など、様々な行動となってアウトプットされます。本の内容が真に身に付くとは、このような状態のことをいうのでしょう。
皆さんも、良い本だな、良い著者だな、と思えるような本を見つけたら、何度も読み返してみることをお勧めします。それは単に知識を得ることではなく、将来にわたり、思考や行動の際に、傍らに優れた人物を味方につけることなのです。
「すべて良き書物を読むことは、過去の最もすぐれた人々と会話をかわすようなものである」(デカルト)
今回は、ここまでです。
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