ロックフェラー氏の死去で終わった「陰謀論」と「アメリカの時代」

 

ロックフェラー陰謀論は下火になる

デイヴィッド・ロックフェラーさんが亡くなった。それで、これからは、「ロックフェラー家が世界を支配しているというような陰謀論は無くなっていくでしょう。

デイヴィッドさんが亡くなった後、ロックフェラー家でもっとも力があるのは、ジェイ・ロックフェラー(=ジョン・ロックフェラー4世)です。彼は、ウェストバージニア州の上院議員。ジェイ・ロックフェラーは、デイヴィッド・ロックフェラーのお兄さん(長男)の子供。とても影響力のある人ですが、「世界皇帝」と呼ばれたデイヴィッドさんほどの力はありません

そして、ロックフェラー家は、「子だくさん」で、どんどん増えている。ジョン・ロックフェラー1世には5人子供がいた。デイヴィッドさんのお父さんジョン・ロックフェラー2世には、6人子供がいた。デイヴィッドさんにも、6人子供がいる。ジェイさんには、4人子供がいる。

子だくさんは、めでたいことですが、別の言葉で「パワーの源泉」である「資産分散していく」ということでもあります。そして、これだけ増えると、「ロックフェラー家が一体化して○○プロジェクトを行うということが難しい

デイヴィッド・ロックフェラーと共に終わるのは…

デイヴィッド・ロックフェラーは、「回顧録」でこう書いています。

21世紀には、孤立主義者の居場所は存在しない。わたしたちはみな、国際主義者となる必要がある。
(同上)

ところが、デイヴィッドさんが亡くなった時、アメリカ大統領は、「孤立主義者」のトランプさん。デイヴィッドさん、部下のキッシンジャーをトランプさんに派遣して、トランプ大統領を承認した」という話があります。

ホントかどうかわかりません。ホントだったとしても、「国際主義者」「グローバリスト」の彼がトランプを承認するのは、本意ではなかったことでしょう。

デイヴィッドさんは、「一つの世界」を目指し、奔走してきた。しかし、その人生の終わりに祖国アメリカは、「ナショナリズム」「孤立主義」「保護貿易主義の大統領を選んだ。どんな気持ちだったのでしょうか?

101年生き、「世界皇帝」とも呼ばれたデイヴィッド・ロックフェラーさんが亡くなりました。「一つの時代が彼と共に終わった」と言えるかもしれません。

彼と共に終わったのは……、アメリカの時代……?

image by: Steven Bostock / Shutterstock.com

 

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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