失敗したソニー、成功した日産。明暗分かれた外国人社長の功罪

 

昨日の続きは今日、今日の続きは明日

日本は農耕民族であり、「昨日の続きは今日今日の続きは明日」という民族性だ。外国人の民族性は狩猟民族が多く、大きなリストラや変革を実施するにはこういった民族性の人が必要だ。トランプ大統領はまさにその典型で、オバマ政権の実績をひっくり返し、まさにオセロゲームのように黒を白にしてしまっている。

その反面日本は、ジワジワと過ごす経営だが、今のような国際化時代においては思い切った戦略ができる経営者を置き、リストラを実施することも大事なのかもしれない。その際には、農耕民族と狩猟民族の両面を併せ持つ人を日本企業の外国人経営者に据えることが成功のカギとなるように思う。

日本ではいきなり外国人経営者がやって来て、リストラを断行されてもなかなかついていけない。かといって日本的な経営だけで過ごしていると、なかなか大幅な改善を図れず業績は向上しない場合が多い。よって、日本の文化や経営等を理解しながら外国流のナタをふるえる外国人経営者が求められると思う。しかしながら、なかなか両面兼ね備えた人がいないのが実情だ。

日本は経済力では世界3位だが、生産性は先進国の中で最下位に近い。日本はいまバブル時代の資産で食べており危機感が非常に薄いように感じる。国際化の時代となり、日本が変わるためには外国人の考えや思想、手法が必要になってきた。1970~90年のバブル時代には日本的経営がもてはやされ、日本はこれに自信を持ちすぎている側面もある。それはもはや昔の話で、今求められているのは国際化、多様性などの新しい血を入れていく時代への変革ではないだろうか。

今後、日本の文化を理解した上で、一刀両断できる外国人経営者が日本企業のトップに登場することを期待したい。

※ブログでは文中に登場したソニーのトランジスタラジオやウォークマン(先日ソニービル閉館に合わせ開催されたIt’s a sony展にて展示)等の画像を掲載しております。ご興味をお持ちの方は、以下を参照ください。

時代を読む

(TBSラジオ「日本全国8時です」2月28日音源の要約です)

image by: Frederic Legrand – COMEO / Shutterstock.com

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ジャーナリスト。1942年生。慶応大学経済学部卒業後、毎日新聞社入社。大蔵省、日銀、財界、ワシントン特派員等を経て1987年からフリー。TBSテレビ「ブロードキャスター」「NEWS23」「朝ズバッ!」等のコメンテーター、BS-TBS「グローバル・ナビフロント」のキャスターを約15年務め、TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」に27年間出演。現在は、TBSラジオ「嶌信彦 人生百景『志の人たち』」出演。近著にウズベキスタン抑留者のナボイ劇場建設秘話を描いたノンフィクション「伝説となった日本兵捕虜-ソ連四大劇場を建てた男たち-」を角川書店より発売。著書多数。NPO「日本ニュース時事能力検定協会」理事、NPO「日本ウズベキスタン協会」 会長。先進国サミットの取材は約30回に及ぶ。

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【著者】 嶌信彦 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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