良い社員
そして、その一方で「良い社員が入ってこない」と嘆いておられる経営者もいます。「良い社員」とはどんな人でしょう。聞いてみました。
「人柄が良くて、周りの人に信頼をされる人」
「仕事の呑み込みが早くて、任せられる人」
「リーダーシップがあり、私の補佐が出来る人」
要は、即戦力として模範になるような社員です。
あなたは、どう思いますか? 今まで、そんな社員が入ってきたことはありますか?
いかにも、この経営者は求めすぎです。「そうした人がいれば、高給で雇う」そうです。そこで、どうしてそんな社員が欲しいのか尋ねました。「人を育てる余裕がないからだ」とのこと。分からないでもありません。
しかし、はっきりと言っておきます。そんな優秀な人は零細小売店には来ない、と思っておいた方が良いです。ですから、経営者の仕事は、社員を育てることにあります。時間をかけて、会社の役に立つ人間に育て上げることです。その覚悟がなくては、経営者はつとまりません。
このことは、「社員がどうして辞めてしまうのか」と嘆いている経営者と同じです。経営者が周りから信頼されていれば、社員はやめません。そして、入った社員は、自然と育っていきます。つまり、問題は経営者自身の考え方や行動にあるのです。
今いる社員を育てることが出来ない経営者が、「社員が辞めてしまう」とか「良い社員が来ない」と嘆くのはお門違いではないでしょうか。今回、この二人の経営者からは、経営者のあり方を考えさせてもらいました。もちろん、あなたのお店は大丈夫ですが、良い参考にはなるでしょう。
■今日のツボ■
- 社員が辞めるのは、経営者の問題である。
- 良い社員に育てるのは、経営者の仕事である。
- 周りから信頼される経営者ならば、人は育つ。
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