【京都案内】龍馬も通った京の花街「島原」の意外な地名の由来

 

角屋もてなしの文化美術館

島原には揚屋と置屋が存在します。文化サロンのような宴会場を揚屋といい、揚屋に大夫を派遣するのが置屋といった感じです。

皇族や貴族たちの宴席に立ち会うために、大夫は読み書き以外にも文学や和歌、胡弓など楽器などに精通し高い教養が求められました。

揚屋は江戸の吉原では江戸時代になくなってしまったようですが、京都の島原では大型の宴会場へと栄えていきました。揚屋の特徴は宴会の出来る大きな座敷日本庭園茶席庫裏(くり)が備わっていることです。客人を招いて宴会を催し、庭園にある茶席で茶会が出来て、それを賄える台所が備わっている屋敷です。

揚屋と呼ばれるのは、一階を台所や居住部分とし、2階を主たる座敷にしたからです。お客様を2階へ揚げることから揚屋と呼ぶようになったそうです。角屋は現存する唯一の揚屋建築として、現在はもてなしの文化美術館として見学出来ます。

角屋の1階の表座敷からは日本庭園を見渡すことが出来ます。その一部の枯山水白砂の庭園には、龍が臥せたように作られた臥龍松(がりゅうまつ)や離れの茶室があります。この表座敷には多くの文人墨客が訪れたと伝わり、新撰組を始め西郷隆盛、坂本竜馬なども通っていたといいます。

角屋の真骨頂は2階の座敷にあります。もてなしの館なだけに、揚屋の2階はとても豪華です。2階の「翠簾(みす)の間」や「青貝の間」のほか6部屋あります。ガイドの説明を聞きながら見学するのですが、見るもの全てが豪華絢爛で溜息が出るほどです。

京都に行って雨が降ってしまったりして、行こうと思っていたところにいけない時などはこのような場所を訪れてみて下さい。雨が降っていても屋内ですし、詳しく色々な事を教えてくれるのでとても勉強になります。
是非皆様も一度足を運んでみて下さい。

● 角屋もてなしの文化美術館

  • 開館時間:午前10時~午後4時
  • 休館日:月曜日(祝日の場合翌日)
  • 入館料:一般1000円、中・高生800円、小学生500円
    (2階の特別公開料金を除く)

※2階の特別公開の座敷は、事前にお電話予約が必要です。

2階特別公開 案内時間約30分

  • 電話番号:075-351-0024(午前10時~午後5時)
  • 入場料の他に別途料金が必要。大人800円、中・高生600円

いかがでしたか? 京都は日本人の知識と教養の宝庫です。これからもそのほんの一部でも皆さまにお伝え出来ればと思っています。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 英学(はなぶさ がく) 【発行周期】 ほぼ週刊

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