【書評】「やられたら倍返し」たった1000億で北から日本を守る術

 

対中国防衛にも有効

この構想は対中国防衛にも有効である。中国はかつてアメリカ政府にトマホークを日本に移転しないようロビー活動をしていた、という情報がある。それだけ真剣に巡航ミサイルの脅威を受け止めているのであろう。巡航ミサイルの優れた点は相手国の一般国民への被害は最小限にして、独裁者だけを脅かす事ができることだ。

北村氏は、「日本の技術力のすべてを投入すれば、最大射程距離2,500キロで最高巡航速度マッハ2を超える巡航ミサイルの開発に成功する可能性は十分にある」と言う。これが実現すれば、陸上を自在に動き回れる発射装置により、北海道から沖縄までどこからでも中国本土を射程に含めることができる。

こうした通常戦力による報復的抑止力を持つことで、現在、日本は「防御」機能しか持っていない日米同盟の片務性を相当程度解消して、米国とより対等な安全保障体制ができるであろう。

さらに、この巡航ミサイルを台湾、フィリピン、ベトナム、インドネシアなどにも供与し、攻撃目標のデータを共有化する情報システムでも作れば、中国の独裁者たちの首根っこを押さえる事ができるだろう。

文責:伊勢雅臣

image by: Shutterstock.com

伊勢雅臣この著者の記事一覧

購読者数4万3,000人、創刊18年のメールマガジン『Japan On the Globe 国際派日本人養成講座』発行者。国際社会で日本を背負って活躍できる人材の育成を目指す。

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 Japan on the Globe-国際派日本人養成講座 』

【著者】 伊勢雅臣 【発行周期】 週刊

print
いま読まれてます

  • 【書評】「やられたら倍返し」たった1000億で北から日本を守る術
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け