そして、これほどの政策の失敗の責任を誰も取らないのが日本の異常なところです。
2009年の時点で津波の危険を指摘されながら、なんの対処もしなかった当時の東電の経営者の刑事責任が追求されていないのは、あまりにも異常です。
本来ならば破綻してしかるべき東電を救済したということは、税金と電気代を使って、株主や債権者たちの財産を守ったことになりますが、これは資本主義社会では、決してやってはならないことです。
また、債務超過になることを避けるために、東電が地下遮水壁の必要性を否定したことは、普通に考えれば、明らかな粉飾決済ですが、これに関しても、誰も罪に問われていません。
もっとすごいのは、過去十数年間、霞が関で日本のエネルギー政策の中核を担ってきた今井尚哉氏が、その失敗の責任をとるどころか、今や安倍内閣の総理秘書官として、日本の政治そのものに最も大きな力を持つ「影の総理」の立場にあるという点です。
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