2.顧客の行動の視点、カスタマージャーニーから考えてみる
サラダは自分で作るとなるといろんな種類の野菜を購入して自分でカットしなければいけないですし、すべて食べきることができなければ腐らせてしまって食材を無駄にするということになります。
最近は、野菜価格の高騰という問題もありますし、節約志向も益々強まってきていますので、そのような無駄な出費は避けたいという消費者も多くなっています。
その点パック詰めのサラダであれば、一食で食べきることができますし、手軽に健康的なおかずを一品増やすことができる、もしくは手軽に健康的な主食として食べられるというメリットもあるのです。
3.ターゲットの広がりを考えてみる
それでは、最後にサラダはターゲット的にどのくらいの広がりがあるかを考えてみましょう。
恐らくメインターゲットになるのは、美容と健康の意識の高い20代から40代の女性ということになるでしょう。
他にも最近ではメタボを気にする男性も増えています。糖質制限ダイエットで急成長したRIZAPの成功を目の当たりにすれば、いかに男性も摂取するカロリーを気にする時代になったかがわかるでしょう。
また、家族の健康を気にする主婦や多くの量を一度に食べられない高齢者なども手軽に適量を食べられるサラダに対するニーズは高いといえます。
こうして考えれば、サラダは実に多くの顧客層に訴求することのできる戦略商品であることがわかります。ですから、それぞれの顧客層のニーズに応じた商品を開発し、ラインナップを豊富に揃えれば、新規顧客の獲得や客単価の向上へとつなげることができるというわけです。
特にこれから暑くなってくる季節に向けて、さっぱりとしたサラダの需要は高まってきます。その季節を見計らってローソンは26種類というこれまでにない量の商品ラインナップを投入してきたわけですが、果たして、思惑通りに、サラダという戦略商品で課題となっている来店客数や客単価を実際に上げることができるのか? その結果を注視していきましょう。
image by: Sakarin Sawasdinaka / Shutterstock.com
安部徹也さんの新刊『マンガでやさしくわかるブルー・オーシャン戦略』
日本能率協会マネジメントセンター・刊 好評発売中!