長年ラジオDJとして活躍する山本シュウさん。テレビでも、新感覚の障害者番組『バリバラ』(Eテレ、日曜夜7時)のMCとして人気急上昇中です。また、レモンの被り物の「レモンさん」として、自身の子どもが通う小学校のPTA会長を務め、その経験を綴った書籍はロングセラーに。対する日下由紀恵さんは、「予約がとれないスピリチュアルカウンセラー」と注目され、心を癒してくれる著書とメルマガが大きな話題を呼んでいます。これまで数多くの悩み相談を受けてきた「人生相談の達人」ともいえる両者が、メルマガ『日下由紀恵のスピ的生活。』の中で、「生きづらい世の中をどうサバイブしていくか?」というテーマで熱いトークを繰り広げています。今回その一部を特別に公開、いったいどんな展開が待っているのでしょうか?
「感動ポルノ」に一石を投じた、24時間テレビの裏番組
日下:山本さんといえば、「バリバラ」(Eテレ、日曜夜7時)のMCですが。
山本:いやーもうしんどい(笑)。
日下:前身の番組はみんながイメージするいわゆる障害者向けの番組……って感じでしたが、それからがらっと変わりましたよね。そして、2016年には「24時間テレビ」の裏で出演者全員が黄色いTシャツを着てるという(笑)。
山本:そう。NHKらしくないし、結構話題にしてもらって。「神回」やって(笑)。でも、別にどこかにケンカ売ってるワケやないよ。「※感動ポルノ」ってどうなん? って問題提起するためのただの手段やし。それに僕らが裏でなくて、いつもレギュラーでその時間やってるから「表」やしね(笑)。
※「感動ポルノ」……障害者が、まるで健常者を感動させるための存在であるかのように取り扱われる風潮を、コメディアン兼ジャーナリストのステラ・ヤングが指摘して広まった言葉。「バリバラ」では2016年8月に「24時間テレビ」の裏となる時間帯で感動ポルノを取り上げて話題になった。
日下:放送中から反響がすごかったですよね。あと、レモンさんとして「全国こども電話相談室・リアル」(TBSラジオ、放送終了)のイメージも強いですよね。私が聴いていて思ったのは、子どもの相談に対する答えがコーチングっぽいな、っていうこと。
山本:あー、それめっちゃ言われました。僕からしたら「コーチング? 何それ?」って感じなんやけど。あと怒りをコントロールするっていう「アンガーマネジメント」ね。
日下:すごい。ビジネス書みたいですね。
山本:全然ちゃうねん(笑)。僕の場合、全然そんな高尚なものやなくて。ただただシンプル。単に「そんな怒ってても自分が損するだけやで」ってことに35歳で気づいたんよ。それまでは僕もめっちゃ怒ってたけどな。クルマ乗ってて割り込まれたらようキレてました。(笑)
日下:怖い(笑)。
山本:でもな。よう考えたらその割り込んだクルマが友達やったらどうする? それでも怒るの? って気づいちゃったのよ。そしたら、一瞬の怒りでその場の空気悪くして、その後の何時間もの貴重な時間をムダにするのが、いかにバカらしいってことがわかったんよ。
日下:私も「怒り」について最近本を出したんですけど、これからの時代、怒りのコントロールってとっても大切なことですね。「英語が話せる」「プログラミングができる」と同じくらい「怒りのコントロールができる」というスキルを持っている人が上に立っているように思います。
山本:でも簡単やで。コツは、腹立つこと言われたり、されたらひとまず「オ〜! ドラマティ〜〜ック!」ってこころの中でふざけて叫ぶのよ(笑)。そう言うて一瞬、「人ごと」にする。もう1人の自分がまるで幽体離脱したかのように自分のことを上から眺めるんよ。
日下:怒りの波動にもっていかれないようにしないといけないですね。
山本:そう。だから、怒りにまともにぶつからないこと。「打たれ強く」やないねん。「揺れる柳の如し」しなやかに受け流すんよ。そしてもう一言「何か事情がおありで〜」って、付け加える。すべては相手の事情だから(笑)。「打たれ強い」は、「受け流し上手」ってこと。あとは、僕の「we’re シンセキ!」ね。
日下:親戚だとそこまでムカつかない(笑)。
山本:そうそう。つながっているって意味とね。それとは別に、「親戚のおばちゃんみたいなおせっかい」っていうのが僕のテーマやから。