高級感なら明朝体、手ごろ感ならゴシック体。ウソのようなフォントの法則

 

これに対し、発泡酒は基本お安いわけなんでゴシック体が主流で下記のようなってます。

キリン淡麗生(キリンビール)

4

のどごし生(キリンビール)

5

アサヒオフ(アサヒビール)

6

ほとんどゴシック体が使われています。こうして見比べてみれば、大衆的なお値段=ゴシック体高級感=明朝体という原則を表す図式が見えてくるはずです。

ただ、最近ビール・発泡酒の業界事情では、発泡酒がそれぞれ出揃って、発泡酒の中でプレミアム感・高級感を出したものが多く出てきたことで、発泡酒=ゴシック体と必ずしもなっていない広告も増えてきています。

「発泡酒が安い」という事が完全に世間に認知されて当然の事実になってるので、数年前のように、「発泡酒」が「ビール」に比べこんなに安いですよ! とあまり訴えなくてもよくなってきて、その発泡酒の中で「リッチな泡」とか「プレミアムなコク」だとか強調するために明朝体が使われるケースも出てきたりします。

例えば発泡酒の中で「クリアアサヒ」という商品がありますが、この商品郡の中で、よりリッチである「プライムリッチ」という商品も発売されています。

クリアアサヒ プライムリッチ(アサヒビール)

7

そちらのサイトを見ていくと、発泡酒だけど「大麦20%アップ「アルコール6%」と共に最高級ということを「明朝体」で書いていてやはり「高級感」や「プレミアム感(特別感)」を出そうとするときは「明朝体」がほぼ使われているな? と理解してもらえるかと思います。

まあどちらにしろ、「高級感・プレミアム感」を出したいときに明朝体のフォントが選ばれ、「安さ・お得感」を出したいとき、ゴシック体のフォントが選ばれている、ココらへんは上に上げた広告デザインのビジュアルをざーっと並べて見てもらうだけでもよく分かるかと思います。

もう一度、ゴシック体をどんな時に使うか? 明朝体をどんな時に使うか?の原則について書かせてもらいます。

【ゴシック体】

  • カジュアル
  • 大衆的・安価、手ごろ感
  • どちらかと言うと若いか?(活動的、動きがあるため)
  • 視認性が良いので標識等のサイン系に使用される。
  • キャンペーン等ほとんどゴシック系

【明朝体】

  • フォーマル(かしこまっている)
  • 高級感・プレミアム
  • どちらかと言うと年配層か(落ち着いている、お金を持っている)
  • 視認性は少し落ちるので街の標識等のサイン系でまず使われない。(駅名などに明朝体はまずない)
  • 装飾的

こういう視点で、街にあふれるデザインを見ていってください。基本的にはこの原則にそってフォントを選んでいることに気がつくはずです。

是非、巷のデザインのテーマをゴシック体・明朝体との使い方から考えて解読してみてください。

長くなりました。最後まで読んでいただいて有難うございました。

kelo

image by: Shutterstock

 

プロが教える「美大いらずのデザイン講座」
美大で教えているようなデザインの基礎を、初心者の方にもわかりやすく説明していきます。デザイン史やプロの現場の話も交え色々な角度からデザインについて書かせてもらいます。デザイナーになりたい方やただデザインに興味のある方等に読んで頂いてます。
≪最新記事を読む≫

print
いま読まれてます

  • 高級感なら明朝体、手ごろ感ならゴシック体。ウソのようなフォントの法則
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け