教員不足解消のための「大量採用」が、学校を多忙にしている矛盾

matsuo20170711
 

1日の平均勤務時間が11時間を超え、過労死のリスクが高いとも言われている小中学校の教員。ならば採用人数を増やし、現場の人手不足を解消させれば万事うまく行く、と思いがちですが…。無料メルマガ『「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術』の著者で現役小学校教諭の松尾英明さんは、実際に大量採用したとある県で起きた事例を挙げ、「教員採用試験」の大切さについての持論を記しています。

採用試験の重要性

7月9日は、千葉県の教員採用試験だった。この採用試験というのは、学校現場にとって非常に重要な意味をもつ

以前も書いた気がするが、記事を探しても見当たらないので再度書く。ずっと前に「東京教師塾」で、塾頭の原田隆史先生に次のような話を伺った(記憶を辿っているので、あやふやな面もあるがご容赦いただきたい)。

どの県のどの学校でも、多忙の原因の上位に人が足りない」という声が上がる。そこで、ある県では対策として費用を投じ、教員を大量に採用して少人数学級を実現したそうである。これで担任の数も増え、教員の多忙化にも歯止めがかかるはず。

実際には、何が起きたか。以前よりも学級崩壊が多発し多忙化に余計に拍車がかかったのである(予防に対し治療は10倍以上の労力を要する)。

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