新しい売り方を探る
出来るだけ早く、今の商習慣と決別することです。そのためには、とりあえず次のことを提案します。
- 取引継続のための無理な商品発注をしない。
- シーズン末のクリアランスセールを行わない。
- メーカーさんにはシーズン後の返品をしない。
とはいえ、スポーツウエアは売りたいですよね。展示会での発注を抑えれば、大手メーカーさんの商品が扱えなくなるかもしれません。それならば、良い方法があります。それは、まだ市場規模の小さなメーカーさんの商品を扱うことです。それも、際立った特徴のある商品である必要があります。これは、ご自分の足と目で探してくることが重要です。
そして、今までとは違った提案の仕方ができる店舗にしてはいかがでしょう。例えば、業界は違いますが、大阪に「ザ・ファーム」という園芸ショップがあります。このお店の特徴は、他店とは違った取扱商品と店舗デザインです。中には、1品数十万円、数百万円もする、珍しい植物を販売しています。もちろん、近くのホームセンターなどでは売っていません。しかも、店内はまるでジャングルのようなデザインになっています。オシャレな飲食スペースがあるのも売りです。こうした商品やお店の雰囲気に引き付けられて、遠方からのお客様が押し寄せます。このお店の発想は、きっとスポーツショップでも応用できるのではないでしょうか。
- 他のお店とは違った独自な商品をそろえる。
- 新しい発見や専門的な知識を提供する。
- 居心地の良い、非日常的な空間をデザインする。
といったことがポイントのような気がします。そして、一つ一つに詰まっているのは経営者の思いです。ストーリーさえ感じさせます。こんなお店ならば、お客様はきっと他の人にも伝えたいと思うことでしょう。
もちろん、「ザ・ファーム」のやり方がすべてではありません。他の業界でも、新しい発想で成功しているお店が、まだまだあります。発想を変えれば、スポーツショップでも新しい提案のお店ができるはずです。これは、大手メーカーさんに頼っていてはできない気がします。今決意をしなければ、百貨店やアパレル業界のように、大変なことになるかもしれません。
■今日のツボ■
- スポーツ用品業界にはアパレル業界の商習慣が持ち込まれている。
- その商習慣に流されていると、やがて凋落するかもしれない。
- スポーツ小売店は、新しい発想の店舗づくりに挑戦するときである。
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