百貨店不振を招いたアパレルの「悪しき商習慣」に潰されない方法

 

スポーツアパレルの商習慣

実は、おおいに関係があるのです。

ご存知のように、スポーツ用品の市場拡大は、用具もさることながら、ウエアの販売によるところが大きいです。そこで、スポーツアパレルブランドを見てみます。アディダス、デサント、チャンピオン、プーマ、フレッドペリー、エレッセ、フィラ、アリーナ、アシックス、ミズノ、ナイキ、アンダーアーマー。まだまだありますが、有名ブランドばかりですね。

これらは海外ブランドも多いですが、製造販売しているのは、一部の例外を除いてそのほとんどが日本のアパレルメーカーさんです。そのメーカーさんが、問屋さんや小売店さんを通じて市場を広げてきました。ですから、アパレル業界の商習慣がスポーツ用品市場に持ち込まれたのは自然のことです。

例えば、「春物」とか「冬物」とか呼ぶのも、商習慣の名残でしょう。また、新製品展示会は、アパレル業界の手法です。年に数回、それもシーズンの始まる6~12か月前に行われます。そして、その展示会では、新製品が次から次へと発売されるのです。小売店さんとしては、注文が出来なければ取引中止ということにもなりますので無理をしてでも発注しなければなりません。

そして、シーズンが終わると、売場では「クリアランスセール」という名の値引きの処分が行われます。これも業界の商習慣といえるでしょう。百貨店とアパレル業界が苦しんでいる構造に似ています。

スポーツ小売店が低迷しているのは、そのあたりにも原因がありそうです。ですから、最近大手スポーツメーカーさんは戦略を変えてきました。その一つが、直営店の出店です。今までのように、小売店さんだけに頼っていても市場拡大がむつかしいということなのでしょう。

では、こうした流れに対して、小売店さんはどうしたらいいのでしょうか。

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