もはやテロ。籠池容疑者をヒーローに仕立て上げるマスコミの愚

2017-03-22 17.37.11
 

先日、森友学園の「補助金不正受給事件」で逮捕された籠池泰典容疑者と妻の諄子容疑者。逮捕直前、多くのメディアが籠池氏に密着取材を行い「国策捜査だ」と訴える様子をそのまま放送。これを受け、メルマガ『マスコミでは言えないこと』の著者でITジャーナリスト宮脇睦(みやわき・あつし)さんは、「税金を不正に使う国家の敵とも言える人物を擁護したり持ち上げたりするマスコミはおかしい」と厳しい口調で論じています。

森友学園とライブドアに見つけるテレビの超絶劣化

空を見上げて一句を吟じ、役者気取りの籠池泰典氏を密着し報じるテレビ局。どうかしています。

ご存知、森友学園前理事長 籠池泰典氏諄子夫人が、国の補助金をだまし取った詐欺の疑いで大阪地検特捜部に逮捕されました。

それをテレビ各局はまるで「国策捜査の被害者」か、「安倍首相に使い捨てにされた悲劇の国士」であるかのように切り取ります。社会正義もへったくれもありません。

これは旧ライブドア事件におけるホリエモンの扱いと正反対の態度。社会正義は大きく変容したのでしょうか。いいえ、違います。テレビが超絶劣化したのです。

籠池夫妻の容疑は大きくわけて2点。「補助金適正化法違反容疑」とは騒動の発火点となった小学校建築に申請した補助金の不正受給で、金額の異なる3つの見積書(請負契約書)で話題になったものです。旦那の疑惑はこちら。

妻の方は「詐欺」で、学園が経営する「塚本幼稚園」の専従教員や障害児らの数を偽っていたもの。ザックリと言えばどちらも「水増し」ということ。

建築費の水増し疑惑については、国会証人喚問で「刑事訴追の恐れがあるので答弁は控えたい」と答えており、本人も違法性を認識しています。

後者にしても「詐欺」で身柄を抑えたということは、検察側に相応の確証があると見るべきでしょう。一般論ながら詐欺は悪意の立証が求められ、事件化が難しいのです。悪意とは、相手に金銭的な被害を与える意思の有無で、つまり、「知らなかった」「よかれと思ってやった」との言い逃れができない証拠を押さえている可能性が高いということです。

最終的には裁判所が判断することですが、現時点ではっきりしていることは、補助金とは公益に資する事業に支給される公金、ひらたくいえば「社会に役立ててねと渡す税金です。

これを建築費というスタートアップの資金と、教員や障害者の数に応じて受け取る運営費の、どちらからも受給していたということで、いわば補助金ゴロ公的支援制度に巣くう寄生虫です。

会社員が有無すら言えずに徴収されている税金であり、その従業員の給与も含めた経費を削って稼いだ企業の利益のあがりから巻き上げる税金からの不正取得です。

国家の敵といっても過言ではない、と建て前論ではなる人物を、先のように持ちあげるマスコミはいかれています。あえて建て前論と断りをいれるのは、後に詳しくふれますが、実際にこの手の補助金の不正受給の話はありふれたことだから。

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