明るい星は少ないのですが、登場する星座は豪華絢爛です。天空に大きく駆ける天馬ペガサス。これは「秋の大四辺形」と呼ばれるぐらいで、すぐ分かると思います。
その足下には鎖で岸壁に繋がれたアンドロメダ姫。それを救いにくるペルセウス。二人の東側には、大きな大きなお化けのくじら。西側にはW型が目立つカシオペア王妃がいます。
エチオペアの王妃カシオペアは娘のアンドロメダ姫の美貌をたいそう自慢していました。海のニンフ(妖精)達より美しい…と。これが神々の怒りをかい、哀れアンドロメダ姫は海の岸壁に鎖でつながれ、おばけクジラの生け贄にされそうになります。
そこに通りがかったのが、ゴルゴンの三姉妹の一人・メドゥーサを退治してきたばかりの勇者ペルセウスです。彼は天馬ペガサスにまたがり、手には、見るもの全てを石にするというメドゥーサの首を持っています。ペルセウスはメドゥーサの首をおばけクジラにつきつけ怪物を退治します。アンドロメダ姫を救出し、やがて姫はペルセウスの妻となりました。
なお、娘自慢のすぎたカシオペア王妃は、両手を挙げた格好で一日中沈まず北極星の周りをグルグルと回る星座にされてしまいました…。
というのがペルセウス座にまつわるギリシャ神話です。
流れ星を探しながら、古代の人々が想像・創造した世界に同調していくのも、また果てしないロマンが広がります。ぜひ今夜も星空散歩のひと時を…。
カシオペア座は、北極星を探す時の星座ということでお馴染みでしょう。もう一つ、北極星を探す時の星座と言えば北斗七星。こちらにまつわる神話も以前にご紹介しましたね(身持ちの悪い大神ゼウス…のお話です)。
ただ眺めていると星が散らばっているようにしか見えませんが、古代の人々は、星と星を見えない線で結び、イメージを膨らませ、神話と結びつけていきました。その古代の人々のロマンを、星を眺めながら共有してもらえたらとても嬉しく思います。
今宵も素敵な星空散歩を!
image by: Shutterstock.com