緑の「駐車監視員」を尾行してわかった、許せない取り締まり術

 

Tさん:ちなみに駐車監視員の方たちを尾行してどのような会話に遭遇したりしてましたか?

吉田:え? Tさん、そんなネタ知りたいんですか?

Tさん:ええ。興味本位な部分と、やはり警察官でもありますのでヒアリングしておきたいなぁと。

吉田:「今日は放置車両少ないから普通にウォーキングになってしまいますね」「今週は検挙数がとても少ないので、放置車両が止めていそうなところを探しましょう」「あの車両の運転手は厄介そうな気がするのでどうしますか?」「このパーキングメーター内に止めている車両はあと10分ほどで60分になりますから、取り締まりルートを変更してここに10分後戻ってきましょう」とか、色々です。

Tさん:“検挙数が少ないから放置車両が止めていそうな場所を探す”っていうのは私的には納得いきませんね。私は取り締まりをするための取り締まり行為はおかしいと思っている側の警察官ですので、駐車監視員がウォーキング(笑)しているだけで、本来なら放置車両を未然に防げるはずなんじゃないかと。

吉田けん制的抑止力ってことですね。

Tさん:はい、まさにそうです。結局のところ、駐車監視員を増やしていれば検挙数が上がるという単純な数字で物事を考えている上層部は正直間違っていると思ってます。放置駐車のステッカーを貼っただけでは渋滞の解消にならないじゃないですか。駐車監視員制度ができる前はレッカー移動という強引な駐禁取り締まりが多かったのも覚えてます?

吉田:なんだか既にレッカー移動っていう言葉だけでも懐かしい響きがします。邪魔ならばレッカー使って移動させるべきだと僕は今でも思ってますよ。

Tさん:そうですよね? 私はレッカー移動での駐禁取り締まりをなくしたことに疑問を感じています。そして駐車監視員制度が発足される直前までタイヤに車輪止め使って鍵をかけ放置駐車を取り締まっていたじゃないですか。あれも渋滞を解消するに至らず、さらに車輪止めを使ってクルマのボディに傷をつけてしまうこともしばしばありましたから、あの取り締まりは短い期間で静かに消えていきました。

吉田:まさに住基カードと同じですね(苦笑)。

Tさん:つまり、放置駐車としてステッカーを貼っただけではお金持っている人には大した効果はないんですね。違反点数が累積されていくわけでもないので……。道路交通法改正されて懐が潤うようにした上層部から天下った先のお偉いさんたちの生活のために放置駐車が点数の累積をなくしたって、警察官たちの間では暗黙の了解で理解している連中は多いです。

吉田:へー。興味深いです。放置駐車で駐禁切られてもお金さえ払っていけば免許停止処分にもならないし、確かに累積点数が加算されるのを排除したのは”もっと駐車違反してもいいんだよ。お金さえ払ってもらえれば”っていう意思表示にも感じます。

Tさん:それなんです、まさにそれ!

吉田:Tさん、メッチャ熱くなってきましたね!

Tさん:さすがに署内や同僚にはこんな話を吐露できないので、溜まっていた鬱憤を晴らすように記事化して頂ける吉田さんには話しておきたくなりました(笑)。

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