米国はどうやって諜報部員をスカウトしているのか?元戦場ジャーナリストが暴露

 

ピースコープがCIAなど米国諜報機関の手先だということは、紛争国周辺を放浪していた者なら聞くことが多かったとおもうが、ピースコープが手先として情報を集めていたのでなく、ピースコープは人格診断所であり、諜報局員としての冷血な地下工作をできる人間を見つけ出しテストする機関だ。まあ、この見方は、単にカトケンがホンジュラスで見たものだから、もっとマジメにやってる地域もあるのかもしれないが…。

こうして、諜報適性のある人間に仕上がってゆく過程で、幾多の反モラル的なことをやるので、それがネタとなり、ウィークポイントの握り合いの場にもなる。ウィークポイントを握り合わなければ、米国諜報機関の求めるダークな仕事なんか怖くてできない。

ピースコープの中でそこそこ諜報適性ありと判断された若者と喋ると、研修時の実習をそのままやっているのか、とおもってしまうような、習いたての尋問形式をしてくる。

米国式は、キーワード型ジャンル型といわれている。地名人名などの固有名詞キーワードを放ってみてこちらの返答を試して連想ゲームで繋ぎ合わせて、次の尋問へ進んでゆくキーワード型。ジャンル型は、尋問する側が、あらかじめいくつかのジャンルに質問主旨を分けておき、そのジャンルごとに1つ1つクリアしてゆく方法である。例えば、ある1つの町について話を進めるとすると、その町に関する情報を答えざるをえないような質問を集中して続け、次に、こちらの人間関係を続けざまに訊いてくるなど、ジャンルごとにクリアして、次のジャンルに進んでゆく。

米国以外の諜報機関は、時系列を重視した行動ストーリーであろう。その、米国特有の尋問はチャート化して記録しないと混乱するので、実習生はそうしてる。これを知っておくと、もし、キミが、怪しい武装勢力の捕虜になって尋問されたときに、その尋問官が米国で教育を受けた者(米国の息のかかった者)かどうかの推測がつく。ISちゃん、どうでしょかね?

image by: Shutterstock

 

異種会議:戦争からバグパイプ~ギャルまで』より一部抜粋

著者/加藤健二郎(建設技術者→軍事戦争→バグパイプ奏者)
尼崎市生まれ。1985年早稲田大学理工学部卒。東亜建設工業に勤務後、軍事戦争業界へ転職。1997年より、防衛庁内局OPL。著書は「女性兵士」「戦場のハローワーク」「自衛隊のしくみ」など11冊。43才より音楽業に転向し、日本初の職業バグパイプ奏者。東長崎機関を運営。自分自身でも予測不可能な人生。建設業→戦場取材→旅行業→出版→軽金属加工→軍事戦争調査→探偵→バグパイプ奏者・・・→→次はなに?
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