好調続く江崎グリコが、創業者出身地の工場を閉鎖するワケ

 

有形固定資産回転率とは、工場の機械や建物、機械装置といった有形固定資産がどれだけ売上高に結びついているかを表す経営指標のことです。数値(売上高を、建設仮勘定を除いた期首期末平均の有形固定資産で割って算出)が高ければ高いほど経営効率が良いと判断できるのですが、それが江崎グリコでは近年不安定で伸び悩んでいるのです。

00年3月期から17年3月期までの18期の江崎グリコの有形固定資産回転率の推移を見てみます。

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00年3月期は3.52回でしたが、11年3月期には4.79回にまで上昇しています。これは、工場の経営効率が高まっていったことを意味します。

しかし、その後は下がったり上がったりして安定しません。また、伸び悩みを見せています。13年3月期は4.35回、16年3月期は4.85回、17年3月期は4.54回となっています。

こうしたことから、何か大きな問題があるとまでは一概には言えませんが、工場のどこかに改善の余地がある可能性があることが否定できません。生産に無駄や非効率があるなどの理由で、工場の資産が売上高に十分に結びついていないかもしれないからです。有形固定資産回転率はそのことを示しています。

ここで、江崎グリコの業績を確認します。消費者の健康志向が高まるなか、チョコレート「リベラ」や同「ギャバ」、ヨーグルト「BifiX」といった機能性表示食品が好調なこともあり、順調に収益を伸ばしている状況です。

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江崎グリコの直近10期の業績を見てみます。17年3月期連結決算の売上高は前年比4.4%増の3,532億円、純利益は同30.5%増の181億円です。08年3月期の売上高は2,786億円、純利益は14億円です。この10期では、売上高と純利益は上昇傾向を示しています。業績は好調と言っていいでしょう。

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