膀胱がんのリスク
膀胱がんになる最大のリスクはタバコです。膀胱がん患者全体のうち、約半数にタバコが原因となります。タバコは大部分のがんの最大のリスクであるだけでなく、心筋梗塞や脳梗塞などの血管の病気や慢性閉塞性肺疾患の最大のリスクでもあります。
世界的にみると膀胱がんは増えています。アジア各国で喫煙者が爆発的に増えているからです。喫煙している人には、タバコを止めるための禁煙治療を受けることをお勧めします。
膀胱がんの次のリスクは化学物質への曝露です。塗装業、金属業、運送業などの職業の人でリスクが少し高くなります。ベンゼンなどの芳香族化合物やディーゼルなどの吸入などはリスクが高くなります。
タバコと化学物質以外には、寄生虫(日本住血吸虫)、遺伝的体質やその他の要因が関係していますが、一つ一つのリスクはあまり大きくはありません。膀胱がんの予防では、やはりタバコを吸わないことがもっとも重要と思います。特に、塗装業、金属業、運送業などの職業の人ではタバコを吸わないようにしましょう。
文献
Antoni S, Ferlay J, Soerjomataram I, Znaor A, Jemal A, Bray F. Bladder Cancer Incidence and Mortality: A Global Overview and Recent Trends. Eur Urol. 2017 Jan;71(1):96-108. doi: 10.1016/j.eururo.2016.06.010. Epub 2016 Jun 28. Review.
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