なぜ日本は、「中国包囲網」を主導してはいけないのか?

 

安倍総理は、北朝鮮問題で走りすぎか?

次、北朝鮮いきます。

北朝鮮に対する戦略も 対中国と同様 バックパッシング戦略が妥当と考えますが現在の安倍首相のやり方は 米国の後ろから応援するバックパッシング戦略よりもむしろ米国より先頭に立って国際社会で北朝鮮非難の旗を振っており、かえって北朝鮮から第一の敵とみなされかねないような 危うい行動をしているように見えます。
(Oさまのメールから)

Oさまのおっしゃることは、もっともです。日本がアメリカ以上に北を挑発すると弾道核ミサイルが飛んでくる可能性があります。だから、トランプさんに前面に立っていただく必要がある(まだアメリカには、弾道核ミサイルは飛んでこないのですから)。

米国より先頭に立って国際社会で北朝鮮非難の旗を振っており、かえって北朝鮮から第一の敵とみなされかねないような危うい行動をしている

これは、おそらく安倍総理の国連演説のことでしょう。北朝鮮を挑発するのは良くありませんが、国連演説については、「許容範囲」と思います。

世界のメディアを見ると、トランプ演説だけが取り上げられています。トランプは、「ロケットマンが自殺行為の任務を進めている」「北朝鮮は完全に破壊される」などと言った。(トランプは最近、「小さなロケットマン」という言葉を連発しています。よほど、気に行ったのでしょう)。これで、世界中のメディアが大騒ぎしている(しかし、トランプの支持層は、こういう「カウボーイ的発言」が好きなのですね)。安倍総理の発言はほとんど問題視されていません

そして、金正恩もトランプ発言にだけ異常に強く反応しています。「わが共和国を無くすとの宣戦布告を行った以上、われわれも相応の超強硬対応措置の断行を慎重に考慮する」と。よほどムカついたのでしょう。

一方安倍総理の演説は、「なぜ北朝鮮との対話はムダなのか?を論理的に解説したものです。聞いた人は、「嗚呼、北は日米韓を、騙し続けてきたのだな」と納得したことでしょう。

そうはいっても、Oさまの「北朝鮮非難の先頭に立つべきではない」というご指摘はその通りですね。これからも、この点は、十分気をつけるべきでしょう。

image by: 首相官邸

北野幸伯この著者の記事一覧

日本のエリートがこっそり読んでいる秘伝のメルマガ。驚愕の予測的中率に、問合わせが殺到中。わけのわからない世界情勢を、世界一わかりやすく解説しています。まぐまぐ殿堂入り!まぐまぐ大賞2015年・総合大賞一位の実力!

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 ロシア政治経済ジャーナル 』

【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

print
いま読まれてます

  • なぜ日本は、「中国包囲網」を主導してはいけないのか?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け