安保でも消費税でもない。衆院選の真の争点は「立憲主義の是非」

 

安倍首相やそのバックにある日本会議の人たちは、「日本国憲法は米国から押し付けられた恥ずべき憲法」と主張しますが、果たしてそうなのでしょうか。本当に恥ずべきなのは、負けると分かっている無謀な戦争を始め、数多くのアジアの人々の命や財産を奪っただけでなく、数多くの日本国民を無駄死にさせた軍部であり、政治家であり、国家主義ではないのでしょうか。

日本国憲法の策定に関わった人たち(日本国憲法は占領軍が一方的に定めたものではなく、日米両方の人たちが関わっています)は、日本国憲法を国家主義に苦しんで来た日本国民に対する、「最高のギフト」だと考えていましたが、そのギフトを素直に受け取れない人たちが未だに大勢いるのです。

自民党の憲法改正案を見れば分かりますが、安倍首相は、国民の権利を制限し、政府により多くの力を与えることにより、日本を戦前の国家主義的な国に戻そうとしているのです。安倍政権は、これまで、秘密保持法や共謀罪で国家権力を強化し、(軍国化を招きやすい)武器輸出を解禁し、安保法で日本を「他の国に行って戦争できる国」にしてしまいました。安倍政権の望むままに憲法を改正してしまっては、政府の権力が強くなりすぎ、立憲主義がないがしろにされてしまうのです。

私たちが決して忘れてならないのは、立憲主義の根底の考えにある「政治家に力を与えすぎるとろくなことはない」 の良い例が、森友・加計学園問題だ、という点です。権力を持つ人たちは、この手の誘惑に毎日のように晒(さら)されるのです。よほどの聖人君子でない限りは、友達や家族を優遇してしまう誘惑に逆らえないのです。だからこそ彼らの力を制限しなければならないし、そのために憲法はあるのです。

安倍首相は、今回の解散総選挙に勝つことにより、「森友・加計学園問題ぐらいでは安倍政権は揺るがない」ことを証明したいのです。野党はバラバラだし、投票率は相変わらず低いので、今なら勝てると勝負に出たのです。

つまり、今回の選挙で投票しない」ということは、「国民に主権など必要ない、政治家が家族や友達に国有地を安く払い下げたり、彼らのビジネスを税金で補助しても構わない」という免罪符を安倍総理に与えるのと同等なのです。

それぞれの人がどの党に投票するかは、その人の自由です。各党が何を目指すのかに耳を傾け、選んでいただければ良いと思います。最悪なのは投票しない」ことにより、安倍首相に免罪符を与えることです。

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