日本では、ポジショントークは悪いことのように見られがちだが、アラブでは、生き残っていくためのスキル、上り詰めていくためのスキルなのだろう。だから、その場その場に応じたポジショントークで立ち回ることに後ろめたさなどなく、堂々とできる。この「堂々とできる」ってところが、日本の他の政治家とは違うところかも。
中田考博士は「希望の党なんていうネーミング、繋ぎ役の捨て石ですよ。小池氏は、希望の党で政権を取る気はなく、希望の党に集まった小池派という大派閥を持って自民党へ戻り、自民党内で小池派が最大派閥になれば、総理大臣になれる、というコースを描いているのではないかな」という。
小池百合子氏のやり方を見ると、時代の変わり目をモノにするセンスが凄い。
都知事になったのも、小池百合子氏の先手ではなく、舛添つぶしによって生まれた時代の間隙だ。希望の党の結党も、安倍総理が衆議院解散総選挙を決定したからであって、小池百合子氏は先手で動いたのではなく時代の流れに機を捉えたわけだ。これは、いかに時代の流れにササッと乗るのが巧いか、また、常に時代の激変期に乗る準備をしているか、ということでもあろう。自分の時代が来るのを虎視眈々と待っていた。そこへ自民党のおじさんたちが勝手に地雷を踏みに来た。
少なくとも、アラブ気質を持つ女・小池百合子氏が、それまで威張っていたおじさんたちをバッタバッタとやっつけてゆく政治が「日本の政治をおもしろくしている」という功績は残したことになる。「おもしろい」は大事だね、日本のような平和能天気な国では。そうだ、日本の政治は政策の良し悪しが大事なのではないよ。おもしろいかどうかだ。
image by: 小池百合子公式Facebook