アメリカ一極時代の陰り
しかし、栄華は長く続きませんでした。
新世紀に入りブッシュの時代になると、すべてがうまくいかなくなります。
まず、ITバブルが崩壊した。
01年には、「9.11」が起こった。
アフガニスタンのタリバン政権は、「9.11の黒幕」とされるビン・ラディンを匿っている。
アメリカは、それを口実にアフガン戦争を開始しました。
02年、ブッシュは、アフガンにつづいてイラク攻撃の準備を開始しました。
しかし、国連安保理常任理事国のフランス、ロシア、中国が反対。ドイツも反対。
それでアメリカは、安保理を無視して一方的に攻撃を開始しました。
プーチン対アメリカの戦争勃発
フセイン政権を速やかに打倒したアメリカ(戦争自体は、それ以後も長く続いたが)。
次に目をつけたのが、ロシアの石油利権でした。
ロシアは2000年から、KGB出身のプーチンが大統領になっています。
03年、エクソン・モービルとシェブロン・テキサコは、ロシアの石油最大手ユコスの買収交渉を行っていました。
アメリカは、資源超大国ロシアの石油最大手を支配下におこうとしていたのです。
プーチンはこれを許すことができず、ユコス社長のホドルコフスキーを逮捕させました。
イラクの石油利権をゲットし、次にロシアの利権を狙ったアメリカの野望は阻止された。
激怒したアメリカの支配者たち。
03年、旧ソ連のグルジアで「バラ革命」を起こし、親米反ロの傀儡政権を樹立しました。
04年、今度は(今また話題の)ウクライナで「オレンジ革命」を起こし、親米反ロの傀儡政権を樹立しました。
05年、中央アジアキルギスで「チューリップ革命」を起こし、親米反ロの傀儡政権を樹立しました。
ロシアの勢力圏である、「旧ソ連諸国」で次々と革命が起こり、「親米反ロの傀儡政権」ができていく。
プーチンは、非常にあせります。
そこで彼は、大きな決断を下すことになります。
そう、中国と組むことにしたのです。
これが05年、いまからちょうど10年前のこと。
中ロは反米で一体化。両国は、「上海協力機構」を育て、「反米の砦化」を行っていくことにしました。
さらに両国は、「ドルを基軸通貨の地位から引きずり落とす」ことで合意。
以後、中ロは、外国政府の高官が来るたびに、「貿易ではドルを使うのを止め、自国通貨を用いましょう」と提案し続けています。
08年にむけて、世界中で「ドル離れのトレンド」が形成されていきました。