グルジア戦争と米ロ休戦
米ロ新冷戦はどんどんヒートアップしていきました。そして、ついに冷戦が実際の戦争に転化します。
それが、08年8月に起こった「ロシア─グルジア戦争」だったのです。
しかし、幸いこの戦争は短期間で終わりました。
なぜかというと、08年9月に「リーマンショック」が起こった。世界は「100年に1度の大不況」に突入していきます。
米ロとも、戦いを続ける余裕がなく、「再起動」の時代になりました。
このとき、ロシアの大統領は、メドベージェフになっています。
09年には、オバマがアメリカ大統領になり、米ロ関係は一層改善されたのです。
プーチンの帰還と米ロ新冷戦再開
12年、メドベージェフの時代は終わり、プーチンが再び大統領になりました。
13年8月、アメリカは、シリア攻撃を画策します。
しかし、プーチンは、これを阻止することに成功します。
オバマは1度「シリアに軍事介入する!」と宣言し、ドタキャンした。いや、「ドタキャンせざるを得ない状況に追い込まれた」のです。
アメリカは、ロシアの隣国ウクライナへの働きかけを強めていきました。
2013年11月、「欧州連合協定調印拒否」を理由に、ウクライナで大規模な反政府デモが起こりました。
2014年2月、クーデターにより親ロシア・ヤヌコビッチ政権崩壊。
2014年3月、プーチン・ロシアは、クリミアを併合し、世界を驚かせました。
アメリカは、日本と欧州を巻き込んで、経済制裁を発動。制裁、原油安、ルーブル安によって、ロシア経済は相当な打撃を被っています。
しかし、依然としてプーチンの支持率は80%台を維持していて、いまのところ政権は安定しています。
それもこれも、要するにロシア国民が、「現在は戦時下にある。俺たちが苦しいのは、全部アメリカのせいだ」という意識で暮らしているからなのです。
そう、プーチンとアメリカの戦争は、「すでに12年続いている」というのが真相。
image by: Wikipedia
『ロシア政治経済ジャーナル』
著者/北野幸伯
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