中国の罠にハマらぬよう、日本が意識すべき「米中との距離感」

 

常に米中関係を注視することが必要

このように、日中関係と米中関係はパラレルであることが必要。ですから、日本は常に「米中関係の現状はどうなのかな?」と注意している必要がある。

現状、米中関係は悪くありません。「アメリカと中国は、北朝鮮問題で『ディール』を用意している」という噂が、あちこちで流れています。「米中が協力して北朝鮮問題を解決する」。これは、まさにキッシンジャーの提唱している「G2」、中国風にいえば「新型大国関係」です。

米中が一体化して北朝鮮問題を解決するのは、トランプにとっても習にとってもいいことです。特に習は、全世界に「中国はアメリカと並ぶ大国だ、二超大国が協力して、難問を解決した!」と宣伝することができる。こうなった時、日本は嫉妬せず歓迎すべきです。安倍総理は、「トランプさんと習近平さん、二人の偉大な指導者のおかげで、日本は核の脅威から解放された。心から感謝する!」と大人の対応をする。

当たり前ですが、私たちの目的は「日本を守ること」です。もっと具体的にいえば、「尖閣沖縄を守ることです。できれば「戦争なし」で守りたい。だから、米中関係が好転したら、日米関係もそれなりに改善させ、中国に動く口実を与えないよう気をつけなければならないのです。

image by: 首相官邸

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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