患者を餌食にする悪質なトンデモ・メンタルクリニックの見分け方

 

「トンデモ・メンタルクリニック」を見分けるコツ

厚生労働省による平成28年度の医療施設調査によれば、精神科を標榜する一般病院(いわゆる精神科病院以外)は、1724施設であった。そのほとんどは「メンタルクリニック」であり、1978年度に比べて2.5倍にも増えている。選択肢も増えてきているということは、有象無象も含まれているとことにもなろう。

自分が精神障害になった、あるいは自分の家族に精神障害が疑われ、クリニック選びをしなければならないと仮定し、「トンデモ」精神科医に出くわさないにはどうしたらいいかを、考えてみた。インターネットでも、精神科・心療内科の選び方は数え切れないくらいに載っている。肯けるものもあれば、「薬は絶対に飲んではいけない」など、反精神医学に凝り固まった偏った情報もある。ここで、わたしが患者ならば診てもらいたくない、あるいは家族を連れて行きたくない、いわゆる「トンデモ・メンタルクリニックの要素を挙げてみたい。

× 初診の診察時間が、30分以下である

初診は、患者の治療方針だけでなく、医師との治療関係を結ぶためにも、非常に重要な機会である。できれば、1時間はほしいところだが、患者が多いクリニックでは現実的に1時間割くことは難しい。

保険診療である以上、毎回長時間の診察時間は取れない。初診でしっかり情報を共有しておけば、2回目以降の診察は初診ほどの長さを要しない。そのためにも、初診の場合は予約がやはり望ましい初診を10分程度で終わらせる診察は論外である。

× 患者が多すぎる

すでに飽和しており、当然ながら、一人当たりの診察時間は短くなる。医師も多くの患者への診察で疲弊してしまい、患者にイライラをブツけるなど精神的平穏を保ちづらくなる。患者の症状の変動を薬剤の増量だけで対応している可能性もある。そういうクリニックは予約が取りづらく、なにかあったときのサポート体制が不十分なのは言うまでもないだろう。

× 初回の診察で3種類以上の薬が処方される

2016年の改定で薬剤を多剤処方した場合の診療報酬が減算され、さすがに初回から多剤処方をする医者は減ったはずだが、未だにこういう医者も残存している。

print
いま読まれてます

  • 患者を餌食にする悪質なトンデモ・メンタルクリニックの見分け方
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け