業界3位に転落したマツキヨがなぜ、過去最高益を出せたのか?

 

訪日客のマーケティングにも力を入れています。訪日客の免税対応をする際にマツキヨではパスポートをスキャンして手続きを進めるのですが、その際に得られる国籍や性別、年齢などの情報と購買履歴などの情報とを紐付けて訪日客の買い物行動を分析し、それに合わせた品ぞろえや売り場の構築を行なっています。こうした取り組みが功を奏し、訪日客の取り込みと売り上げの増加につながっているのです。

訪日客が年々増えていることもマツキヨには追い風となっています。日本政府観光局によると、訪日客数(推計値)は今年9月に2,000万人を突破し、昨年より早いペースで増えているといいます。「爆買い」は影を潜めたとはいえ、訪日客の消費は底堅いものがあります。この恩恵をより大きく受けることができる点でマツキヨは競合よりも優位にあると言えるでしょう。

マツキヨは将来の成長の布石として、新業態の展開にも力を入れています。6月に、東京・銀座に働く女性向けの新業態ビューティーユー」をオープンしました。販売する商品の大半が化粧品となっているのが特徴的です。美容部員による対面販売も行い、働く女性をサポートします。

カウンセリング機能を強化した新業態マツキヨラボ」にも力を入れています。従来のドラッグストアの機能に加え、薬剤師や管理栄養士、ビューティーアドバイザーが健康や美容についてきめ細かくサポートします。消費者が抱える健康や美容上の問題をカウンセリングを通じて解決することに注力していることが従来のドラッグストアとは大きく異なります。

マツキヨラボの店舗数は現在7店舗と多くはありません。また、業態の特性上ある程度の売り場規模が必要なため店舗を一気に増やすことが難しく、短期的には業績への貢献は限定的と考えられます。しかし、将来的には次世代型のドラッグストアとして成長が見込めそうです。

マツキヨは訪日客の取り込みや新業態の展開で着実に成長の基盤を固めています。現状、ツルハとウエルシアのM&Aの影に隠れてしまっていますが、追撃態勢は整っているので今後の挽回が十分考えられるでしょう。今後はM&Aを仕掛けていくことも考えているようで、松本清雄社長は雑誌『激流』(18年1月号)に対して次のように述べています。

過去のM&Aは、決まった仕組みがない中で、マツキヨの看板に変えれば売り上げが上がるという感覚。それを改める仕組みは持てた。やる気は十分ある。

M&Aによって成長していくのかどうかはわかりませんが、マツキヨは首位を奪還できるのか、どのような展開を見せていくのかに注目が集まりそうです。

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