健康被害も出始めた「地球温暖化」に抗う世界、遅れをとる日本

徳田安春 地球温暖化 健康被害
 

これまでの常識として「地球温暖化は、経済にダメージを与える」とされてきたことは周知の事実ですが、さらに最新の研究で「感染症を始めとした健康被害や豪雨による河川氾濫や山崩れなどをもたらす」という驚きの結果が出ました。今回のメルマガ『ドクター徳田安春の最新健康医学』では、地球温暖化の脅威や防止に向けた世界の動きについて、現役医師(総合診療医)の徳田先生が詳しく解説しています。

今すでにある気候変動による健康被害

蚊媒介性感染症の増加

気候変動、中でも地球温暖化による健康被害は今すでに世界中で起きている問題です。地球温暖化による健康被害は将来のものであって、現在の我々には関係ない、と思われている人もいるかもしれません。しかしながら、最近の研究によると、温暖化によってもうすでに大きな影響が出てきており、この不都合な真実は予想を上回るスピードで私たちに襲いかかってきていることがわかったのです。

ます、蚊媒介性感染症です。1990年以降、ネッタイシマカとヒトスジシマカの病原体媒介力が急激に大きくなってきています。実際、1990年以降のデング熱ケースは10年毎に倍増しています。私は以前からこのメルマガでデング熱について何度も取り上げてきました。日本での国内デング熱ケース発生の予想が当たってしまいました。残念なことです。

今後心配なのは大規模な流行です。デング熱が持続的に流行すると再感染する人も出てきます。再感染するとデング出血熱の発症リスクがあり、このタイプでは治療しても死ぬことがあります。全身の血管から出血が止まらなくなって血圧が下がり、ついには多臓器不全で亡くなるのです。

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